カルトの報道が多くなると、占い業界には逆風となります。
占いは大手をふって世間に誇れる仕事ではありません。
それでも一定のニーズがあり、斜陽の出版業界で安定した収入を得られているのは占いという専門を持っているからです。
カルトの入口として占いを規制するべきだという意見もわかりますが、うさんくさいもの、不思議なものをすべて封印した世界は息苦しくなります。
ウラナイ8の杏子さんが開催する易の読み会では、日常生活で迷っていることをお題に出してみんなで易を立てます。ちょっとハードルが高かったヒップホップのクラスに出るように背中を押してくれたのは易占のおかげ。
かといって、すべての決断を占いにゆだねているわけではありません。
6月末の易の読み会では「原稿執筆カフェのアルバイト」を占ってもらいました。
日本だけでなく世界のニュースで取り上げられて大ブレイクした原稿執筆カフェ。オーナーの川井さんは映像関係を始めマルチに活躍しています。フォーマットを作ったら複数のスタッフで回していくようで、働く人を募集していました。
ワンオペですが、ドリンクはセルフサービス。レジは電子マネー対応のみですが、マニュアルがあればなんとかできるでしょう。応募資格は、店の利用経験があるライター。1時間に一度、お客様の進捗具合を確認する以外は、カウンター内で自分の原稿を書いていればいいのです。
川井さんは年齢差別をしそうもないし、応募すれば採用してもらえるかも。
易の読み会で出た卦も悪くないし、カフェ店員デビューもいいかもと盛り上がったのですが、穂高養生園とJAL「どこかでマイル」の帯広の旅が予定されていました。採用された直後に「この日は無理」を連発するのはよくないので、帯広から帰ってから応募することに。
世の中はそう都合よく展開せず、募集の告知は消えました。お客としてカフェに行ってみれば、作家の卵らしい若い方が働いていました。そして、ヒップホップのレッスンに通い出したことで夜のスケジュールはほとんど埋まることに。
もし、旅行前でも応募して働くことになったら、有意義な体験ができたかもしれません。タイムマシンがない限り、検証はできません。でも、ライター歴30年の年寄りが若い人向けの場所に座ろうとするのは、易の占断では吝(りん)。凶ではないけれど、恥ずかしいことです。
高齢者のヒップホップも吝といえば吝ですが、ズンバと比べると混んでいないのでスタジオの目立たない場所で踊っても誰も気にしないでしょう。
易占の結果に従い原稿執筆カフェで働いてもよかったけれど、そうなれば夜のヒップホップのクラスで踊ることはなかったでしょう。
とりあえず占ってみるけれど、結果をどう解釈して従うかどうかは自分次第。そんないい加減なスタンスで占いと付き合ってみるのがいいのでは。
福岡県庁近くで見つけた方位盤。今でこそGoogleマップで正確な位置がわかりますが、昔の人はこうしたものを大いに頼りにしたことでしょう。
易や九星気学で方位の象徴はわかりますが、実際にどの方位に進むかは自由意志に託されます。