コロナがそろそろ落ち着いてきて、静かなワ―ケーションを実施。
泊まるならサウナと水風呂があるドーミーインが最高。共立メンテナンスががドーミーインの上位ブランドのラビスタ函館、沖縄ビーチタワー、ウェルネスの森伊東、高山桜庵の4か所でワ―ケーションプランを出しています。
いずれも7泊以上ですが、高山だけお試しプランとして3泊がありました。
東京から高山はJRだと名古屋か松本経由となり、けっこう時間がかかります。最も速く行けるのが新宿から直行の高速バス。といっても朝8時15分に出発して高山に到着したのは午後2時近くでしたからかなりの長旅です。
コロナ以前、高山の街は外国人観光客で大賑わいだったようす。特にヨーロッパ人旅行者に人気で、街ぐるみで歓迎していたそうです。
高山桜庵もその頃は超満員で多忙だったことでしょうが、カップルや家族旅行が数組見かける程度でした。貸し切りの家族風呂が3つもあるので、大浴場はいつも空いており、サウナはほぼ独占状態でした。
ワーケーションプランだと、素泊まりで一泊4000円という破格の安値。掃除もタオルの交換もなく、部屋は下層の3階。長期滞在客向けに共用キッチンとランドリールームが自由に使えます。
大浴場の露天からの眺望はすばらしく、朝晩、たっぷり楽しめました。
ただし、サウナへの情熱はなさそう。サウナは低めの温度で水風呂も生ぬるい。水風呂には手桶がなく、せっかくの露天スペースには外気浴用の整い椅子がありません。しかし、格安のワ―ケーションプランで文句を言ってはバチがあたります。
大浴場が朝9時までなので、その後にちょっと仕事。昼食のために外出して散歩し、カフェでお茶。古い町並みは格好のウォーキングコースです。チェックアウト時間が過ぎ、他のお客さんたちが出払ったあとにこっそり宿を出て、午後の早い時間にホテルに戻るのは、まるで居候のようでした。
おいしそうな地酒もありましたが、一応ワ―ケーションなので禁酒。一人で飲むと飲みすぎてしまがちなので。
「山の民」「海の民」という分類があるなら、私は「海の民」ですが、たまに山の街で過ごすのもいいものでした。桜庵というぐらいだから、桜の季節にはさぞきれいなことでしょう。
ランチで入ったお店の女将さんが、いろいろと気遣ってくれてちょっとしたデザートまでいただきました。
「またいらしてください」と声をかけられて、つい「また来たいのはやまやまなんですが、ちょっと遠くて…」と口走りました。
「どちらから?」と聞かれて、正直に「東京から」と答えると「私も東京出身なんです」とのこと。高山にお嫁に来て、老舗の店を切り盛りしています。こうして人の人生を垣間見ることができるのも旅の楽しみです。
世界だけでなく日本にも滞在したい場所が限りなくあって、生きているうちにすべて行くことは無理でしょう。駆け足であれこれ巡るより、じっくり腰を据えて一つの街を味わいつくしたいものです。