東洋占術では立春を一年のスタートとして年の干支が改まるので、正確には2月4日から壬辰の年となります。でも、新年を迎え、徐々に新しい「気」が満ちています。
壬辰は木火土金水の五行では水行が強い年ですが、12月が庚子の月だったこともあり、水行の勢いは昨年の年末からかなり強くなっているからです。
天干・地支の組合せは60パターンあり、天干に壬があるのは、壬子、壬寅、壬辰、壬午、壬申、壬戌の6つです。
壬子は、天干・地支ともに水で比和。壬寅は天干が地支を生じ、壬申は地支が天干を生じる穏やかな関係です。
天干と地支が相剋となるのは壬辰、壬午、壬戌。壬午は水と火の激しい剋ですが、大海原の水平線から太陽が昇る景観とも見ることができます。壬辰と壬戌は水と土の剋。戌の土はしっかりしているので、壬戌は山中の湖のおだやかなイメージがあります。一方、壬辰の土はたっぷりと水を含んだもろい土で、波によって崩れそうな危うさを含んでいます。
2012年がどんな年になるか占うのに参考となるのは、前回の壬辰年、1952(昭和27)年です。
1952年、サンフランシスコ講和条約により第二次世界大戦が完全に終結。日本ではGHQが廃止されました。
GHQによる占領が解除された3日後、5月1日のメーデーでは、デモ隊が皇居前広場に乱入し、警官隊と衝突。「血のメーデー事件」です。災害では十勝沖地震が起きています。
さらに60年をさかのぼり、1892(明治25)年の壬辰年には、第2回総選挙を巡り各地で争乱が起き、全国で死者25人、負傷者388人が出る事態となりました。
どうやら2012年も政治がらみで不穏な一年になりそうですが、軸足をしっかりと保ちつつ、運気の流れを上手に利用していきたいものです。
若い人なら次の壬辰年(2074年)を迎えることができるかもしれませんが、大多数の人にとっては、生涯最後の壬辰の年となります。
「今年は運が悪い」という事象だけを当てても、あまり意味がありません。壬辰の性質を知り、どうやって開運していくかを考えましょう。