翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

2017年は60年に一度の丁酉(ひのととり)の年

東洋占術を学んで以来、毎年が特別な意味を持つようになりました。
十二支は12年で一巡しますが、甲乙丙丁…の十干と組み合わせた六十干支(かんし)は60年サイクル。来年の酉年は丁酉(ひのととり)年で、2017年の次の丁酉は2077年ですから、もう若くない人にとっては、今生で体験できる最後の丁酉年です。

まず、陰陽五行で丁と酉の関係を見ます。
酉年には、乙酉(きのととり)、丁酉(ひのととり)、己酉(つちのととり)、辛酉(かのととり)、癸酉(みずのととり)の6種類があります。
木火土金水の五行では、丁は火で、酉は金。十二支の酉を丁が剋する関係です。これが己酉(土と金)、癸酉(水と金)なら相生関係でエネルギーがスムーズに流れますし、辛酉なら上も下も金です。

六十干支では、上に乗る十干が天、十二支を地と見るので、2017年の丁酉は、天が地を剋す、すなわちお上が民衆を締め上げ、規制や税の負担がけっこうきつくなりそう。2016年の丙申(ひのえさる)も火と金の組み合わせでしたが、丙が太陽であるのに対し、丁は人工の炎。日光より炎に焼かれるほうがつらいものです。

五行には色が対応し、木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒。丁酉年は赤い酉ですから、レッド・ルースターの年。ざわざわしてうるさい年になりそうです。

毎年、この時期に取り出す本。

干支の活学―安岡正篤 人間学講話

干支の活学―安岡正篤 人間学講話

新刊も出ました。

この本によると、丁は樹木の幹から枝がたくさん出て、垂れ下がっている状態。盛大ではあるけれど、ピークを過ぎて末期に向かっている状態です。

一方の酉は、酒を醸造する器の象形文字。なるほど、酉にサンズイをつけると酒です。
十二支は年だけでなく季節や時間も司ります。酉の月は9月、酉の刻は午後5時から7時。暑さが一段落して仕事も終わり、一杯やりたくなる時期です。

酒を飲むと血気盛んになるからか、古来、酉の年は革命の年とされています。金の気が最も強くなる辛酉の年は世の中を刷新しようとする機運が高まりますが、丁酉の年も、そういった傾向は強くなるでしょう。
丁酉に先立って起こったイギリスのEU離脱とトランプ大統領誕生。損得計算は忘れ、とにかく流れを変えたいという気分は丁酉の年も持続します。レッド・ルースターの年は、民衆がだまっていません。サイレント・マジョリティならぬノイジー・マジョリティとなるのです。

2018年は戊戌(つちのえいぬ)の年。
十干、十二支とも五行の土ですから、安定しているように見えますが、五行の土は変化を象徴します。そして、戌の中には火の要素もあり、戊午ほどではありませんが、マグマを秘めた火山といったところ。丁酉に現れた変化の機運が大きなうねりとなって広がっていきそうです。

景気について。
丙申・丁酉と、火と金の相剋の六十干支が2年連続しましたから、相場の乱高下は続きそうです。
60年前の丁酉は1957(昭和32)年。この年は、1954年(昭和29年)から続いた神武景気の最後の年です。7月には景気が急速に冷え込み、なべ底不況となりました。一年のうちに好景気から一気に不景気になるとは、いかにも丁酉の火と金の相剋です。丁酉は丁も酉も盛りが過ぎた状態ですから、儲けが出ているのなら、あまり欲を出さずに利益を確定したほうがいいでしょう。


(長野県小海町のフィンランド夏至祭)
丁は燃え上がる炎ですから、丁の年は、心を明るくするようなエンターテイメントがたくさん作られそうです。ビートルズが結成されたのは、1957年、丁酉の年でした。