ガルシア=マルケスを愛読しているので、いつかはコロンビアに行きたいという思いがありました。
でも、コロンビアはあまりにも遠い。
それでも、7週間かけてスペイン巡礼のフランス人の道を歩いてみて、無理だと思い込んでいたことも意外と簡単に実現できるものだという気がしてきました。
大学のゼミの同窓会で海外旅行が話題になりました。そろそろ定年を迎える年を迎え、バリキャリの娘や嫁のために孫の世話で忙しい人を除くと、時間的なゆとりが持てるようになった年齢です。円安だから海外旅行は割高だというけれど、60代になるとそんなことは言っていられない、行きたい国があるなら元気なうちに行っておいたほうがいいという結論になりました。
コロンビア、今こそ決断しないと一生行くことはないでしょう。
JALの航空券を調べると、10時55分に羽田を発ち、時差があるからその日の朝8時にダラス到着。アメリカン航空に乗り継いで22時過ぎにコロンビアの首都ボゴタに到着。帰りの便は深夜にボゴタを発ち、翌日にダラス着。お昼のJAL便で翌日の午後に羽田着。このフライトを乗りこなせるのは今年だけかも。来年になったら、とても無理だと弱気になるかもしれません。
航空券は買えるけれど、本当に行って大丈夫なのか。
韓国映画「ボゴタ 彷徨いの地」。1997年の通貨危機で軍隊時代の部下を頼ってコロンビアに移住した一家の話です。空港からタクシーで移動する中、赤信号で止まるとバイクに乗った男が父親が抱えていたバッグに目を付けます。全財産とパスポートが入っていたのか、大切そうに抱えていたのが悪かったのです。バイクの男はタクシーの窓を割って無理やりバッグをひったくって行きました。
さらに怖くなったのが、南米文学の研究者のコロンビア旅行記。日本人は反政府ゲリラによる誘拐の標的になりやすいから、帽子とサングラス、スカーフで顔を隠して旅したというのです。20年前のことで、今はコロンビアも普通の国になりつつそうですが、隣国ベネズエラの政情不安により難民がなだれこんでいます。
誘拐よりも怖いのが日本国内のバッシング。活動家やジャーナリストが危険地帯で誘拐されると「日本に迷惑をかけた」と非難されるのに、お気楽な高齢旅行者が誘拐されたら…。反政府ゲリラに殺されたほうがましです。
それでも、コロンビアの旅行業界で働く唯一の日本人を検索で探し当てることができました。コーヒーの輸入業者などビジネス関係がメインのようですが、個人旅行客にも対応しています。「ガルシア=マルケスを巡る旅を考えているのですが…」とコンタクトすると、「そんな依頼は初めてです」と興味を持ってくださったようす。たまたま先月に日本帰国とのことで、打ち合わせができました。

東京で唯一のコロンビア料理店、エル・ランチョ。コロンビア人オーナーとも意気投合。7月のコロンビア行きに向けて着々と計画が進んでいます。