コロンビア出身のエンリケさんと日本人の奥様、息子さんが3人が切り盛りしています。
早速、エンリケさんにコロンビアの旅の計画を話しました。首都のボゴタ、国際港湾都市のカルタヘナ、そしてバランキージャ、アラカタカ。「4番目はどこだって? 聞いたことがない」とエンリケさん。ガルシア=マルケスが子供時代を過ごし『百年の孤独』の舞台となった村です。小説内での村の名前、マコンドを出すとすぐにわかってもらえました。
コロンビアの旅行業界で働く唯一の日本人である新井さんは、アラカタカにはろくな宿がないのでバランキージャから日帰りを提案されたのですが、今回の旅の最も大きな目的はアラカタカ訪問です。ガルシア=マルケス好きのオランダ人が宿を作ったらしいのでそこに泊まることにしています。
エンリケさんにお店に流れるBGMを「コロンビアの曲ですか?」と尋ねたところ、南米音楽とのこと。ちょっとがっかりしたのを悟られたのか、エンリケさんが店の一画にあるDJブースのようなところで何やら準備を始めました。エンリケさんは元ミュージシャン。即興のコンサートが始まりました。踊りたくなる!
カナダのオタワ出身という女性が来店。お母さんが日本人で流暢な日本語を話します。大学でパブリック・ヘルス(公衆衛生)を専攻し、世界各地への留学プログラムがあり、ボゴタの大学で学んだそうです。家族と来日中、コロンビアの料理が食べたくなったとのこと。
カウンター内でカクテルを作るエンリケさんの息子さんもボゴタに留学経験があり、Googleマップを開いてお互いが住んでいた場所を確認すると、かなり近所だったことがわかりました。スペイン語、英語、日本語が交錯する店内。ここが東京だということを忘れそうです。
コロンビアについて知れば知るほど、世界はつながっているから広いようで狭いと思うようになりました。
コロンビアは北米と南米を結ぶポイントであり、先住民とヨーロッパ、アフリカが混じり合った独自の文化が生まれました。たとえばズンバのステップの一つ、クンビアのルーツは西アフリカ。黒人奴隷がリズムを取りながら重たそうに足を動かすのをイメージして踊ります。
また、2010年に南アフリカで開催されたワールドカップの公式ソングWakaWakaを歌ったシャキーラはコロンビア人。一見、西洋人風ですが彼女のルーツを知るとぴったりの人選だとわかります。