ソウルで能天気にBTSの聖地巡りを楽しんだのは、先週のこと。戒厳令のニュース画像で目にするソウルはまったく別の街に見えます。
副業として3年ほど非常勤講師で留学生に日本語を教えていたことがあります。スイスに本部がある学校で、欧米の富裕層の子弟が大半でしたが、韓国人学生もいました。男性は20代後半から30代の超エリートばかり。韓国の一流企業の留学制度を利用しており、日韓ビジネスの最前線での活躍が期待されているだけあって、日本語能力は超一流。性格も成熟しており、クラスの模範として大いに助けられました。
それに対して韓国の女子学生は社会人は皆無で10代のお嬢様ばかり。男女で属性がまるっきり異なっていました。日本以上に男女の役割の違いが明確なのでしょう。『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んでそう確信しました。
島国の日本に対して、大陸の端にある半島という地政学的な緊張感。兵役は男性だけですし、いざというときは男が仕切るという意識が強くなるのも当然です。
スペイン巡礼で韓国人女性スンヒと友達になりました。「次はソウルか東京で再会を」と誓い合って別れたのに、スンヒはスペインで出会った台湾人男性と結婚し、台北在住に。
ソウルでの再会は果たせませんでしたが、BTSに興味がないというスンヒに軽薄ぶりを知られなくてよかったかもしれません。
釜山の聖地巡りも楽しかったし、ソウルも最高。BTSは現代の弘法大師のように、訪れた先がすべて聖地になるので、行くべき場所に事欠きません。
韓国にまで行って日系ホテルに泊まるのもなんですが、ソウルの定宿はドーミーイン・カンナム。日本とほぼ同じシステムでありながら、夜鳴き蕎麦にキムチが付くなど、微妙に異なるところを探すのが楽しみです。メジャーになる前のBTSが暮らしていた寮が近くにあり、付近を歩いているだけで聖地巡礼の気分になれます。
ドーミーイン江南近くのカフェの看板犬サム。寒さに強いシベリアンハスキーなので雪が積もっても外でお客さんを迎えていました。
ソウルに行きたくなったのは、この曲を繰り返し聞いていたから。
ジミンとVのデュオ曲。メジャーになるとメンバーに亀裂が起こるグループが多いのに対し、なんと仲のいいこと。「いつか、この歓声が止んだ時もそばにいて」という歌詞がぐっと来ます。
歌い出しはジミンから。
유난히도 반짝였던 서울
きらきら光っていたソウル처음 보는 또 다른 세상
初めて見るまったく異なる世界
ジミンは釜山、Vは大邱出身。芸能界デビューを目指してやって来た大都会ソウルはさぞかしまぶしかったことでしょう。
ソウルはいつだってきらきら光る都市として全世界のBTSファンの聖地であってほしいものです。