静かなカルルス温泉に三泊し、バスで登別温泉まで戻り夫と合流。宿以外に何もなかったカルルスから、一気に都会に戻った気分。コンビニや飲食店が立ち並び、外国旅行者も目立ちます。
前回、第一滝本館での体験がすばらしかったので再び泊まることにしました。
カルルスと登別、ほんの少しの距離なのに物価は倍以上に感じられました。というのも、一泊二食付きで7450円の鈴木旅館の三泊分より、二人泊とはいえ素泊まりの第一滝本館一泊のほうがの料金が高かったからです。他の宿も調べたのですが、外国人旅行者が好みそうなホテルほど、高額になっていきます。
宿の立ち寄り湯もカルルスの宿は500円だったのに対し、湯元グランドホテルは2000円。サウナや水風呂など設備が充実して2000円の価値は十分ありました。カルルスのほうが安すぎるのです。
第一滝本館の食事はおいしかったけれど、量が多すぎたので今回は素泊まりにして、温泉街の居酒屋やカフェへ。ニセコほどではありませんが、総じて高めの価格設定です。タクシーの運転手さんによれば登別のピークシーズンは冬で、スキーを楽しむ外国人旅行者が押し寄せ、休む暇もないそうです。
夏は大浴場に抵抗のないアジアからの旅行者が多いようで、第一滝本間の大浴場のスタッフは中国語を話していました。夏の日本を旅するなら暑さを避けて北海道を選ぶのは当然のことでしょう。
そういえば、カルルスの鈴木旅館の宿泊客はほとんど日本人でした。食事の選択はなく、夜も朝も和食ですから外国人旅行者を狙わずリーズナブルに旅したい日本人向けに特化しているのでしょう。
インバウンド需要の有無による経済格差を実感した旅でした。
大学のゼミ旅行の行先は東南アジアでした。
マレーシアのペナンのホテルのレストランに短パンとビーチサンダルで現れた男子学生を教授は咎めました。
「このホテルは、地元の人にとっては高級ホテル。だからそんなラフな格好じゃ失礼だ。着替えてきなさい」
当時、日本は世界第二位の経済大国。東南アジアは格安感があり、学生の分際でも驕りがあったのでしょう。
それが今や、外国人旅行者が利用する宿が日本人にとっては高嶺の花になりつつあるとは。
このところ円高に振れてきましたが、それでもまだかなりの円安です。外国人旅行者が来ないような宿を狙うと格安で泊まれるのはありがたいことですが、日本人として情けない気もします。
翌日はロープウエイに乗って登別クマ牧場へ。霧が立ち込めて眺望はあまり楽しめませんでしたが、愛らしい小熊が遊ぶところや、大きい熊の芸まで堪能しました。
ここも外国人観光客が目立ちました。入場料3000円は往復のロープウエイ込みなので納得価格ですが、外国人旅行者にとってはかなり安く感じられるのでしょう。