翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

第二の敗戦?

熊野古道の中辺路の起点、滝尻の民宿のご主人から聞いた話。

「外国人は、エージェントを通して早めに予約して部屋を押さえる。日本人が思い立って熊野古道を歩こうとしても満室。紀伊田辺駅のビジネスホテルに連泊して、バスで熊野古道の起点に行って歩き、バスでホテルに戻り、翌朝バスで歩き終えた箇所まで戻って歩き始めるしかない」

そんなことになっているんだとびっくり。奇跡的に予約できた近露の民宿(部屋数4)では、日本人は私だけ。シンガポール人女性に「あなた日本人だったんだ!」とびっくりされたほどです。

 

東南アジアのリゾート地では、客は外国人観光客ばかりで現地の人はサービスを提供する側というところもありますが、日本もそうなりつつあるのでしょうか。

熊野古道で会った外国人旅行者たちは、口々に「日本は最高!」と賛美していましたが、その裏には「こんなに安くて最高級のサービスを受けられる国」という意味が込められていると邪推してしまいました。

 

かつては、山手線の内側だけの土地価格でアメリカ全土が買えて、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と讃えられた国なのに。

 

第二次世界大戦で負けて、そこから奇跡的な経済成長を遂げた日本は、今は経済面で第二の敗戦を迎えたという人もいます。たしかに。コロナの封印が解け、いざ海外に出ようとしたら、何もかも高額なのに驚かされます。

リアルな戦争と異なり、経済戦争にいいところがあるとしたら、世界がボーダレスになっている点。とりあえず今の日本では、自国に縛られることなく、海外で稼ぐのも自由ですし、外貨での資産運用もクリック一つで可能です。

 

 

スペインの無敵艦隊イングランド海軍に敗戦。

負けたからといってすべてが終わるわけではありません。スペインは豊かだった時代の観光遺産が山のようにあり、観光立国として世界中から旅行者を集めています。

もうちょっと円が強くなり、サービス業で働く人々が十分な所得を得られるようになれば、インバウンドを主要産業にするのも悪くないと思います。

 

ネットでは断末魔のような「日本終わった」という声があふれていますが、変えようと思えば変わることもあると感じたのが先日の区議選。

 

 

昨年の区長選では無所属新人の岸本聡子氏が167票差で現職をやぶったことで、区民として「投票すれば変わる」と実感しました。

もともとリベラルな土地柄で、衆議院では東京8区で石原伸晃が当選を重ねているのを苦々しく思っている住民も多く、比例復活もできないほど叩きのめした選挙もありました。

第二の敗戦を迎えたとしても、国民の生活は続きます。限られたパイを分け合いながら、心楽しく暮らせる社会に近づいてほしいものです。