2020年こそは、もっと家をきれいに保ち、お酒の量を控えたい。だらだらネットを見るのもやめたい。
しかし、年が変わったぐらいで人間が変わるわけがありません。元日から掃除をするのもはばかられるし、朝からお屠蘇を飲んで気が付いたら夕方。早くも1月1日にはいつも以上の怠惰コースをたどります。しかも3が日はスポーツクラブのレッスンがありませんから、生活は乱れ放題です。
易の解説書を読んでいると、易には3つの意味を含むとあります。
「簡易(たやすい)」「変易(変わる)」「不易(変わらない)」。簡易はわかるけど、変わるのか、変わらないのか、いったいどっちなんだ!
解説によると、宇宙も人も刻々と変化するけど、その動きには変わらない法則がある。人間の運命も小宇宙のようなもので、気まぐれのようでいて、法則性が流れているというのです。
易と同じように、人も変わるし、変わりません。
お正月はスポーツクラブのレッスンがないのが不満ですが、子供の頃の私は体育が大の苦手で、体育のある日は学校に行きたくありませんでした。体育の教師の高圧的な態度も大嫌いで、体育祭の入場行進の指導は軍隊みたいだと忌み嫌いました。
30歳でフリーランスのライターになってスポーツクラブに入会したのは、水泳だけは人並みにできたから。プールで人と競うことなく自由に泳ぎ、ズンバに出会った時は、こんなに楽しく体を動かせるエクササイズがあるのかと感動しました。
年末、我が家に滞在したフィンランド人のヘンリク君。最初のホームステイの時は18歳で、育ちのいい礼儀正しい少年でしたが、のんびりしているところもあり、忘れ物をして学校に行ってはらはらさせられたこともありました。その頃の口癖は"That's not a big problem"。
二度目来日は高校卒業後、1年間の兵役を終えたあと。軍隊生活をあれこれ話してくれたのですが、「シーツやタオルをたたんで1ミリでもずれていたらやり直し」というし、何度も口にするのが"Everything is under control"というフレーズ。私のいい加減な家事を見てどう思うのだろうかと不安になりました。
しかし、三度目の来日ではちょうどいいゆるさのヘンリク君に戻っていました。
私だって、体重が危険水域に達したら断食施設やヨガの断食に通いますが、しばらくは節制が続くものの、やがては元に戻ってしまいます。
そういう繰り返しが人生なんでしょう。
羽田空港の早朝出発のため「変なホテル」に泊まりました。フロントでは恐竜とロボットがお出迎え。音声かタブレット入力でチェックイン手続きをします。
経営するHISによれば「変なホテル」は「変わり続けるホテル」だとか。人間、変わるのをやめたら死ぬだけです。今年もどんどん変わって変な人間になりたいものです。