急速なオミクロン株感染の広がりにより、宮古島行きをキャンセル。
最初に宮古島を訪れたのは2007年11月。JALが企画した「パーントゥ」ツアーです。
パンフレットの写真を一目見て「絶対、この祭りに行かなくては」と即座に申込みました。
なんといっても、パーントゥの見た目はインパクト大。つる草をまとい、全身に泥を塗ってやって来ます。泥は「ンマリガー(生まれ泉)」と呼ばれる聖なる井戸の底から取ったもの。かつては産湯と死者を清める水として使われていたそうです。
写真を撮っていなかったので、同行者に連絡して送ってもらいました。ツアーといっても、あまりにも特殊なため参加者は6名ほどでした。
行ったのは平良島尻地区で、パーントゥは3体です。まず名士の家に招かれて夕食をご馳走になり、祭りの解説をしてもらいました。パーントゥを演じるのは地区の選ばれた青年たち。ツアーの案内役の方昔、パーントゥになったとのこと。
外に出て近所の方々と「オトーリ」で泡盛。まず親を決め、親が口上を述べて泡盛を注ぎ、順番に飲み干していきます。すっかり楽しくなって杯を重ねていたら、いきなり後ろから背中にがしっと手が置かれてびっくり。パーントゥです!
写真の左端にちらっと映っているのが私です。パーントゥが出現した後なので泥だらけです。
室内にも平気で入って行きます。
人間だけでなく、車や家にも泥をつけます。特に新車や新築だと強力な厄払いになると喜ばれるそうです。
こうして写真を見ていると、あの夜の記憶がよみがえります。泡盛の酔いもあり、泥だらけの服と顔で「この先何があっても大丈夫」と愉快でたまらなくなりました。
「きれいはきたない、きたないはきれい」は『マクベス』の三人の魔女(パーントゥも3人!)ですが、「吉は凶、凶は吉」「損は益、益は損」と、この世のものはすべて反転する。パーントゥに遭遇したことで、哲学書や宗教書を何冊も読んだのと同じぐらいの効果がありました。頭で理解するより心に落とし込む感じです。
そして「まっとうな人間なら額に汗してコツコツ働く、相場なんかに手を出すな」という思い込みから解放された瞬間です。私の中でスイッチが切り替わりました。
これこそ吉方取りの開運効果と言いたいところなんですが、この年のこの月、年月同盤で東京から宮古島は年も月も大凶方の暗剣殺です。マイナスにマイナスをかけて大開運ですが、一般的にはおすすめできません。
九星気学を始めて学んだのは良心的ですばらしい先生でした。「吉方位の効果は時期的にいつ、具体的にどんな形で出ますか」という質問に「九星気学はシンボルを扱っているから」と答えていました。統計学や実験といった言葉を出して絶対に開運するという占い師は疑ってかかったほうがいいでしょう。吉方で誰でも開運するなら、方位を扱う占い師はみんな大富豪になっているはずです。宮古島でパーントゥに泥をつけられて私の財運は大開運しましたが、宮古島に行ってなかったらどうかを検証するにはタイムマシンが必要です。
パーントゥも、興味本位の観光客の苦情で日時を発表されないようになりました。泥をつけられたとクレームをつける観光客は、吉方に行ったけれど開運しないという人と同じなのかもしれません。いくら吉方取りをしても、意識が変わらなければ意味がありません。
ウラナイ8の夏瀬杏子さんと配信イベントを開催します。
この余談、本当に大事! とにかく動くこと。頭の中に知識を蓄えるのも大切ですが、運気を動かすには実際に動くこと。そのスイッチを入れるために、寅年の吉方を活用してください。