そのうち宅配の新聞を取るのは老人だけになりそう。印刷された紙面が朝夕、配達されるなんて本当に贅沢なことです。東京では新聞配達員の多くが日本語学校に通う外国人留学生になっているらしいですが、こんな寒い季節、夜明け前に起きて配達に向かうのは、温暖な東南アジア出身の若者にはさぞかしつらいことでしょう。
朝日新聞の朝刊の一面には「折々のことば」が載っています。最新のニュースはネットのほうが速いけれど、こうした連載ものがあるから新聞を取っているようなものです。先週の木曜日は『徒然草』の一節。
財多ければ、身を守るに惑ふ
お金をたくさん持っていると、自己保身に走り不安になるという意味。財産が多くなるほど、少し目減りしただけで動揺するともあります。
あまり明るくない将来が待っている日本国民からすると「そんなことない!」と突っ込みたくなります。しかし、ではいくらお金があれば安心できるのでしょうか。「きりがない」としか答えようがありません。
先週はアメリカとイランで戦争が起こりそうになり、世界経済が乱高下しました。アメリカ株への投資を始めたせいで、気が休まる時がなくなりましたが、かといって日本の銀行に定期預金したとしても、もっと不安になるでしょう。
結局、生きるということは不安の連続で、出家でもしない限り、安心なんて得られません。
そして財の器の大きさも人によって違います。東洋占術の講座で、競馬や株の成り行きを占うという話を聞きました。占術の知識があって勘も鋭く、かなりの好成績で当てていたのに、実際にお金を出して馬券や株を買ったとたんに外してしまう人がいるそうです。それは、その人の財の器が小さいから。そんな人がたまたま大金を持っても、不安になるし変な使い方をしてお金を失ってしまうでしょう。
株式投資を始めた動機の一つは、自分の財の器の大きさを知るためです。 そろそろリーマンショックに次ぐ暴落がやってくると言われ続けていますが、財が目減りしても、器の大きさがわかればそれも一興と割り切るしかありません。
今年初の旅は温泉大国・大分へ。天候に恵まれ、帰路では四国から東海、東京へと上空から眺めることができました。