多くの観光客であふれている熱海。そこから伊豆急行で20分ほど南下した伊東に着くとほっとします。すべてがちょうどいい感じ。
今回の宿は「ウェルネスの森 伊東」。外国人旅行者を連れて行く時は、寝室が分かれているリゾートマンションタイプの温泉宿が快適です。
共立メンテナンスの経営なので、サプライズ的な要素はないけれど、一定の水準が保たれています。イタリア人のマギーは部屋着の作務衣が気に入って、売店で購入していました。たしかに、浴衣より着やすくてリラックスできます。
チェックアウト後、ホテルのバスで伊東駅まで送ってもらいます。
お見送りで手を振る男性スタッフ。
「あの人、夕食の時はシェフだった」
「一つの仕事だけやっていればいいという時代じゃないのよ」
という会話が後ろの座席から聞こえてきました。年配のご婦人方です。
「このホテル、バブルの時にリゾートマンションで売り出されたんじゃないの」
「道理で、やけに部屋が広い。強気の値段をつけて売れ残って、ホテルに改造したんでしょう」
同じ共立メンテナンスの熱海のホテル(ラビスタ伊豆山)に比べて、部屋は広いのに宿泊代は伊東のほうが格安。株主優待割引を使えば、一泊2食付きで7500円でした。
株主優待の金券もあったので、マギーの宿泊費もそれで支払えました。
共立メンテナンスこそ、株を買って一番良かったと思える企業です。
せっかく旅に出たのだから、1泊だけではあわただしい。
2泊めはマギーと別々の宿に泊まりました。
マギーは外国人バックパッカー用のゲストハウス、「ケイズハウス伊東温泉」へ。ドミトリータイプなら、友達もできるでしょう。50歳以上は泊まれないので、別の宿を取るいい口実になりました。
私が泊まったのは「ホテル伊東パウエル」。
4年前、西南の吉方取りで伊東に来た時、海に面して建っているホテルを目にして、ぜひ泊まってみたいと思ったからです。 bob0524.hatenablog.com
立地は最高です。オーシャンビューの部屋を選んだので、窓を開けると海が見えます。
ただし、ホテルはかなり年季を感じさせます。
一番がっかりしたのが、サウナはあるのに水風呂がないこと。
海が見える露天風呂もあるのに、なんともったいない…。
少し手を加えらたら、サウナ―の聖地になるのに。
露天風呂へと上がる階段に、ホテル伊東パウエルに出資した人のネームプレートが張り出されていました。
水風呂を作るなら、私も出資したいと思ってホテルのスタッフに聞いてみました。
ホテル伊東パウエルは、会員制リゾートホテルとして開業して、ホテルになったそうです。ウェルネス伊東と同じです。
もう会員からの出資は募集していないとのこと。
せっかくの立地だから、なんとかならないものか。ちょっと手を加えるだけで魅力的なホテルになるのに…。
そう考えるのは、よそ者の勝手な思い込みでしょう。
夕食なしのプランだったので、地元の居酒屋に繰り出しました。
4年前、格安価格で立派な金目鯛の煮付けが出た店を再訪しました。
店構えは同じでしたが、厨房に立っているのは外国人スタッフ。人手不足の影響は伊東まで及んでいるのでしょう。料理はあいかわらずおいしかったし、雰囲気もよかったのですが、時の流れを感じました。
再訪する旅行者としては、前回と同じような体験をしてなつかしい思いにひたりたいもののですが、旅先で暮らす人々はそれぞれの生活があるのです。
あらゆる変化を受け入れて、何も考えずにのんびり過ごすのが、伊東の楽しみ方でしょう。
東京から手軽に行けて、適度にひなびた伊東温泉。何度も訪れたいものです。