糸魚川から金沢へ、北陸新幹線を使えば50分ですが、「越後トキめき鉄道」と「愛の風富山鉄道」を乗り継ぐと2時間47分の旅。先を急ぐ旅でもないし、車窓を楽しみながら西へと向かいました。
金沢の宿はドーミーイン。ビジネスホテルの最高峰。
観光シーズンの人気都市では、シティホテル並みの強気の価格設定となりますが、金沢は北陸新幹線の延伸により、ホテルが次々と開業し供給過多状態。リーズナブルな価格で泊まれます。
ドーミーインがすばらしいのは、ビジネスホテルでありながら温泉を併設しているところ。しかも、サウナと水風呂も完備しています。
ビジネスホテルの利用客は男性が大半だろうに、女性にもサウナと水風呂があるのは本当にありがたいことです。サウナブームですが、上野の北欧スパ、笹塚のマルシンスパ、札幌のニコーリフレ、名古屋のウェルビーなど名店として知られるサウナは男性専用のところが多いのです。
ドーミーインを展開しているのは共立メンテナンス。温泉旅館などのリゾート事業、レストラン、学生寮や社員寮など幅広く事業を展開しています。日本株の先行きが不透明で、一度すべて手放してアメリカ株にシフトしたのですが、共立メンテンナンスは実際に利用してみて、これだけのノウハウがあれば生き残るだろうと買い直しました。
金沢ドーミーインにチェックインし、温泉、サウナ、水風呂を満喫。露天風呂と外気浴スペースが壁で仕切られている独特の設計が気に入りました。
すっかり気持ちよくなったところ、午後7時からは1階のレストランでアルコール、ソフトドリンクの無料サービスが始まります。これまで、湯上りのスペースでビール1杯サービスというドーミーインはありましたが、金沢はホテルが乱立しているので飲み放題にしたのでしょうか。
湯上りの部屋着、スリッパのままで行ける気軽さ。愛想のいいスタッフが「どれでも好きなだけ飲んでください」と席に案内してくれます。周りを見渡すと、駅かデパ地下で買ってきたお弁当やおつまみを広げているグループも。観光客向けの気取った店で食べるよりずっと楽しいかも。
部屋に戻って休んだら、9時30分からは夜鳴きそばのサービス。あっさりしたハーフサイズの中華そばです。全国どこでも同じ味なので、わざわざ金沢で食べることもないし、この時間の炭水化物は控えるべきなのですが、酔った勢いで1階へ。
「旅の宿はシティホテルや高級旅館じゃなくちゃ」という高級志向の方もいるでしょうが、私にとってはドーミーインが最高。全国どこでもドーミーインにさえ泊まれたら後は何も要りません。天国のようなところです。
だからといって、天国にずっと暮らすのはちょっと…。温泉に入って好きなだけお酒を飲んで夜更けにラーメン。そんな生活を続けたら人間がだめになってしまいます。天国はたまに、あるいは死後に行くから、ありがたいところなんでしょう。