翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

人を不幸にするお金

お金で幸せは買えないけれど、お金があれば、たいていの苦労はしなくて済む。

資本主義経済に生きる私たちにとって、お金はあればあるほどいいはずです。
しかし、お金があるために不幸になることもあります。

NHK総合で放映中の『情熱のシーラ』。
スペインのテレビドラマというのが珍しくて、第一回目から観ています。

主人公のシーラはマドリードのお針子。婚約者のイグナシオは公務員試験にも合格し、堅実な幸せをつかむはずでした。しかし、やたら濃い顔(スペインの基準ではハンサムということなんでしょう)のラミーロと恋に落ち、婚約を破棄します。
時はスペイン内戦の前夜。シーラは未婚の母に育てられたのですが、「労働者に殺される」とおびえた資本家の父親がシーラを呼び出し、大金と宝石を譲ります。
このお金を元にビジネスを始めようと考えたラミーロとシーラはモロッコに移住。
ラミーロはやたらと気前よくお金を使います。労せずして手に入れたお金は簡単に散財されやすいものなのです。

昔、週刊誌で宝くじをテーマにした連載を担当したことがあり、巨額の当せん金を手にした人が破産したという話をよく聞きました。
何千万、何億円という単位のお金でも、使い始めるとあっという間になくなります。生涯賃金以上を手にして仕事を辞めてしまい、気がついたら宝くじ当せん前より貧乏になってどうにもならなくなるパターン。

ラミーロとシーラも、父親からの大金さえ転がりこなければ、平和に暮らせたかもしれません。
結局、ラミーロはホテル代さえも踏み倒して失踪。シーラは無一文になり、故郷に戻ることもできなくなりました。

お金は、ないよりはあったほうがいいに決まっていますが、ありすぎるお金も扱いに困ります。
ネットでは無料の楽しみがたくさん見つかるし、名作DVDも1週間100円でレンタルできる時代。より多くのお金を手に入れるために苦しい思いをするよりも、生きていくのに必要な分だけ稼いで好きに暮らしていけるといいのですが、凡人にはその加減がなかなかむずかしいものです。


島根・温泉津の神楽。恵比寿様がお菓子を配るので子供たちは大熱狂。こんな臨場感あふれる舞台も、奉納神楽なので無料で観ることができました。