開運術なら、「宝くじに当たる法」がすんなり来るのですが、宝くじに当たるとかえって不幸になるケースをさんざん見聞きしてきました。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20160908/1473298275
先日、友人からこんな話を聞きました。
親類から思わぬ遺産が入ってきた。といっても大金ではなく、数十万円ほど。おいしいものをよくご馳走してくれていた人なので、一番喜ぶ使い方は、食事に使うこと。というわけで、高級寿司店やお取り寄せを楽しんでいるそうです。
とてもいい使い方だと思いました。おいしいものを食べるたびに、故人を思い出して感謝しているのでしょう。
それで思い出したのがこのお話。映画化もされています。
- 作者: イサクディーネセン,Isak Dienesen,桝田啓介
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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姉妹は祝宴の後にバベットが1万フランを使い切ったことに腰を抜かします。実はバベットは天才的料理人で、パリのレストランでは12人分で1万フランのディナーを作っていたのです。
「この先、貧乏になってしまうのに」と心配する姉妹バベットはにっこり笑ってこう語ります。
「いいえ、わたしは貧乏になることなどないのです、お話ししましたように、わたしはすぐれた芸術家なのです。すぐれた芸術家が貧しくなることなどないのです」
「お金は邪魔にならないからいくら手にしてもいい」という人もいますが、器以上のお金は邪魔になります。散財ではない使い方を知っている人は、決して貧しくなることはありません。
横須賀美術館内のレストラン、アクアマーレのスズキとアサリのスープ仕立て。たまにこういう料理をいただくと、魂の糧となります。