私の住んでいる杉並区は、裏磐梯(北塩原村)と保養地協定を結んでいて、区民向けに2泊3日のバスツアーが企画されました。
一人参加もOKで、ウォーキングか農業体験か好きなほうを選べるし、温泉もあるということ。しかも、出発地は自宅から徒歩5分ほどの区役所前です。
昭和の易聖と呼ばれる加藤大岳(かとう・だいがく)は、会津若松出身です。
加藤大岳の弟子の一人、女流の易者・大熊茅楊(おおくま・ちよう)の「春夏秋冬・易学占例集」(東洋書院)は、得た卦から占断を下すまでのプロセスが詳しく書かれていて、対面鑑定で易をたしなむ者にとっては、とても役立つ書です。「ここまで手の内を明かすなんて、なんとありがたいこと」と、いつも感心しながら読んでいます。
この本の中に、加藤大岳が東京から会津へ弟子を連れて帰郷し、故郷の会津本郷町を訪ね、夏期講座を開く旅行記が記されています。昭和42年のことです。
講座の後、一向は裏磐梯へ向かいます。五色沼を始めとした裏磐梯の山や谷の美しさが描かれています。
易を学ぶ者としていつかは会津や裏磐梯を訪れたいと思っていたので、いい機会とばかりに行って来ました。
「観光で応援しよう」という企画なので、福島に入る前に、いわき市の薄磯海岸を訪れました。担当者の尽力で特別の許可をもらったというものの、津波の被災地に観光バスで乗り付けるのも、心苦しく感じました。そして、瓦礫の撤去を担当している現地の方の話を聞き、ますます胸が塞がれる思いでした。
一見、今どきの茶髪の若者なのですが、震災当日のこと、翌日からの作業、そして現状について朴訥に語ってくれました。被災地の報道は少しずつ減少していますが、悪夢のような日々は決して終わっていません。
いわき市を後にし、常磐道から上越道へと入り、裏磐梯へ。
北塩原村が全面的にバックアップという企画なので、村を挙げての歓迎です。
今回は民宿に泊まったので、村の人たちと直接、言葉を交わせる機会も多くありました。
北塩原村は観光と農業の村で、大震災後、宿泊客は大きく減り、農作物は風評被害というダブルパンチを受け、大変な苦境にあるというのに、村の人たちの温かいこと。