翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

薩摩で国の光を観る

忙しいと言いつつ、あちこち旅に出てばかり。よほど観光旅行が好きみたいですが、私が好きなのは旅であって、観光は好きじゃありません。

 

昨年12月の旭川旅行では切羽詰まった仕事を抱えていたため、旭川駅でパソコンに向かっていたのですが、観光スポットを巡るより思い出に残りました。

 

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そもそも観光の語源は「国の光を見る」。出典は易経「風地観」です。

賢帝が統治している国は光に満ちています。光の状態を見ることで、その国がどう統治されているかがわかるというのが「観光」の語源です。

 

2月の鹿児島旅行はそれほど忙しくなかったので、旅先で根を詰めて仕事をすることはありませんでした。 

そして、あちこち観光スポットを回るより、ゆっくり温泉に入ったり、地元の居酒屋でご常連に交じって飲んだことが記憶に残りました。

 

指宿のホテルでは地元の観光ボランティアのお話をうかがう機会がありました。

篤姫西郷隆盛NHK大河ドラマになり地元では大いに盛り上がったとのこと。しかし、「浜崎太平治のシーンも収録されたのに、カットされた」とかなりご不満のようす。

浜崎太平治? 

指宿の商家に生まれ、海運業を拡大した豪商だそうです。

鎖国の日本にあって薩摩藩琉球を通して中国と貿易し莫大な利益を上げていました。

幕末から維新にかけて薩摩が大きな存在感を発揮できたのは、浜崎太平治が稼いだ潤沢な資金があったからこそ。記録によれば中国だけでなく、アメリカやヨーロッパとも取引をしていたようです。そのうちの何割かは密輸、いわゆる「抜け荷」です。国家に対する反逆である密輸を薩摩藩は黙認し、幕府が犯人を出せと言っても、応じませんでした。

こういう話は、公共放送であるNHKでは取り上げにくいのではないかとの解説でした。

 

薩摩は幕藩体制というスケールに収まらず、いち早く世界を視野に入れていました。だから維新を牽引する大人物を輩出したわけで、まさに薩摩の「国の光」を観たような気持になりました。

 

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