翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

小津安二郎

ディランが歌い、イシグロが書く

カズオ・イシグロを読むようになったのは、彼がボブ・ディランとザ・バンドの大ファンだと知ったから。 ディランだけでなく、ザ・バンドを並べたところにぐっときました。フォークからロックに転向したディランが大ブーイングを浴びていた時代、バックバンド…

下関で金子みすゞと田中絹代を思う

JALの「どこかにマイル」でたまたま北九州に行くことになり、思い出に残る旅ができました。 一泊目の下関をすっかり気に入りました。本州の果てであり、九州はすぐそこ。韓国も身近です。海の幸もおいしいし、しばらく暮らしたいと思うほどでした。 そし…

カウリスマキ監督の引退

10代の私を導いたのがボブ・ディランなら、中年期はアキ・カウリスマキです。西洋かぶれでありながら、西洋のコンプレックスもあり、対等の立場で外国人と友達になることなんてあるのだろうかと思ったものですそんな時、フィンランド人のアキ・カウリスマキ…

人生はすべて縁起で回っていく

映画『Buddhist 今を生きようとする人たち』の上映会後、監督の後藤サヤカ氏とジャーナリストの佐々木俊尚氏のトークショーがありました。後藤監督は、この映画を撮ろうとして撮ったのではなく、三浦明利氏の記録映像を撮っているうちに、次から次へと仏教関…

転倒注意

今月のNHKラジオ英会話のテーマは、LA Story(ロサンゼルス物語)。テキストの前書きによると、小津安二郎の『東京物語』のアメリカ版だそうです。アリゾナ州フェニックスで一人暮らしをする老いた父とロサンゼルス在住の娘夫婦が登場します。 父が転倒して…

買い物断食その後

何度も断食をしています。 食べ物だけでなく、買い物も。きっかけは、フィンランド映画『365日のシンプルライフ』。 d.hatena.ne.jp「食品と本、音楽、消耗品、人への贈り物以外は買い物をしない」と、2014年の秋に始めたのですが、365日は続かず、春に挫折…

アンネと観る『生まれてはみたけれど』

連休にフィンランド人のアンネが我が家に1週間滞在しましたが、私は本業のライターと副業の日本語教師でてんてこ舞い。アンネからはコンサートやイベントに一緒に行こうと誘われましたが、「悪いけれど、仕事が手一杯なので無理。一人で自由にどこでも行っ…

ロバート・デニーロに学ぶ老後の生き方

ロバート・デニーロといえば、私にとっては「ゴッドファーザーpart2」。 反社会的なイメージが強かったのに、高齢者の役をうまく演じているのにびっくりしたのが「みんな元気」です。 この映画を観たのは、小津安二郎の「東京物語」のオマージュだから。 妻…

理想の死

前回に続いて「コレラの時代の愛」について。フェルミーナ・ダーサの夫、ウルビーノ博士は医師です。 小説の冒頭は、ウルビーノ博士の友人、ジェレミア・ド・サン・タムールが自殺した現場。「60になったら、どんなことがあっても自らの命を絶つ」と恋人に宣…

「七人の侍」と「荒野の七人」

日本語教師養成講座で習った項目の一つに「数詞」があります。 たとえば、ハ行の「杯、匹、本」の前に1、6、8、10がくると、数字の最後が促音となり、pの音が加わって「いっぱい」「ろっぴき」「はっぽん」となります。9はハ行、カ行(個、階…)、サ行…

「東京物語」と「日の名残り」

クリストファーさんとサリーさんのイイダ夫妻と半日過ごした時、「ロスト・イン・トランスレーション」から映画の話になりました。フィンランド人に、よく「東京物語」について話します。「あなたの国のアキ・カウリスマキは、『東京物語』を観て、映画監督…

言葉で伝わること、伝わらないこと

フィンランドの18歳、ヘンリク君は日本にもかなり慣れてきました。 最初は3週間のホームステイは長いと思ったのですが、始まってしまうとあっという間に毎日が過ぎていきます。ヘンリク君は日本語を勉強しに来ているので、学校からホストファミリーに「日本…

ジュネーブからの風

2年前にはフィンランド人の旅人を次々とホストしたのですが、このところはずっとカウチサーフィンから遠ざかっていました。リクエストは届きます。でも、あまり魅力的だと思えないゲストをわざわざ泊める気にはなりません。特別なおもてなしをするわけでは…

旅先で垣間見る人生 2015

初めての地を旅するのも刺激的ですが、同じところに何度も行くのも楽しいものです。 観光スポットを駆け足で回るのではなく、その土地に暮らす人の人生を垣間見るような体験ができます。 前回の島根の旅でもそう感じました。d.hatena.ne.jp島根の温泉津(ゆ…

他人と比べない生き方

易では冬至、四柱推命や九星気学では立春が年の切り替わり。 一般的には1月1日が新年の始まりで、その都度、「新しい1年の抱負を考えてみたりします。個人的には、一年を占う年筮を立てる冬至が最も重要な区切りとなっています。年度が改まる4月も、新ス…

現世は束の間の旅のようなもの

須賀敦子を再読しています。今年はイタリアに行きたいと思ったのですが、どうも無理なようなので、須賀敦子の描くイタリアを楽しんでいます。最初の著作『ミラノ 霧の風景』が出版されたのは1990年。作家の関川夏央が「須賀敦子はほとんど登場した瞬間から大…

楽しく生きるためにも、英語は必要

映画『白夜のタンゴ』を観ました。あわただしいムードの年末ではなく、観るなら年初と決めて、渋谷のユーロスペースに出かけました。実に楽しい映画でした。なつかしいフィンランドの湖と森のシーンに夢中になり、あっというまに時間が過ぎました。 (しかし…

還暦(60歳)で姥捨て山

来年の秋に優春翠と花巻に行くことになりました。優春翠が関東と島根の二拠点生活を始めたこともあり、二人で遠出をしたり私が島根に遊びに行く計画は早めに日程を決めることにしています。『赤毛のアン』にも、こんなセリフがあります。 Looking forward to…

大人になんてならなくていい「みうらじゅん・根本敬トークイベント」in高円寺

毎週、NHK『笑う洋楽展』を楽しみにしています。「いつも心にディランと仏教を」 http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20141016/1413424111高円寺フェス2014で、みうらじゅんと根本敬のトークイベントがあると聞き、いそいそと出かけてきました。みうらじゅんには…

本当に新しいことはいつまでも古くならない

入棺体験で、生と死はそれほどかけ離れているものではなく、つながっているものだと感じるようになりました。 新しいことと古いことも正反対のようでいて、新しいものは誕生した瞬間から古くなっていきます。今年のディラン先生の誕生日(5月22日)にNHK…

人は皆、誰かのために生きたいと願う

アキ・カウリスマキに影響されて、小津安二郎の作品を次々と観ています。『長屋紳士録』は1947年公開。戦後の焼け野原が舞台です。あの頃映画 松竹DVDコレクション 「長屋紳士録」出版社/メーカー: 松竹発売日: 2013/07/06メディア: DVDこの商品を含むブログ…

いつまでも続く長い放課後

小津安二郎のドラマ『青春放課後』を先日、NHKテレビで観ました。 最初に放送されたのは、1963(昭和38)年。小津は里見紝と共同で脚本を手がけてています。 映像は現存していないとされていましたが、約50年ぶりに見つかり、再放送されたのです。日本映…

「私の墓には『生れてはみたけれど』と刻みます」

フィンランド旅行の準備として、アキ・カウリスマキと宮崎駿、そして小津安二郎の作品を観ています。「カウリスマキ、小津を語る」の最後はこう締めくくられます。 The epitaph on my grave will be "I was born, but". (私の墓碑銘は「生れてはみたけれど…

マイヤちゃん、福島の猫に会う

4月の上旬にカウチサーフィンでホストしたフィンランドの女の子、マイヤちゃん。マイヤちゃんのはじめてのおつかい http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20130414/13659012272週間の京都滞在を終えて東京に戻ってきたマイヤちゃんと、隣の駅のアキコさんのお宅…

ユハナ君に学ぶ英語表現

フィンランド人のユハナ君と話していると、話題がどんどん広がっていきます。これは、上手な人とテニスのラリーをやるようなものです。こちらのブロークンな英語を汲み取り、打ち返しやすいところに話を持っていってくれるからです。ユハナ君はタンペレ大学…

フィンランド、国の光を観る

フィンランドを好きになったきっかけは、アキ・カウリスマキ監督の映画「浮き雲」。 人生を変える映画があるとしたら、私にとってはまさにこの映画です。失業三部作あるいは敗者三部作(いずれにしても、なんと暗いネーミング!)の第一作。 ヘルシンキのレ…

大人のカウチサーフィン活用法

カウチサーフィン(CS)はボストンの大学生のアイデアによって生まれた旅行者の交流システムです。 利用者は18歳〜29歳が7割近くで平均年齢は28歳。できるだけ費用をかけずに世界を見て歩きたい若い世代向けのネットワークですが、単なるカウチ(宿泊)提…

地球の反対側でレニングラード・カウボーイズを語る

カウチサーフィンで知り合ったイギリス人紳士と剣道の試合を見に行ったり、シンガポールの才媛に現地を案内してもらいました。d.hatena.ne.jpd.hatena.ne.jp私が最も会いたいのはフィンランド人。でもコンタクトを取ってくるのは、アメリカ人、オーストラリ…

フィンランド語を学ぶ絶望と希望

フィンランド語を学び始めて3ヶ月目。私が通っているスオミ教会では、1時から初級クラス、2時から入門クラスがあります。私は2時からのクラスに出ているのですが、初級クラスの人達もそのまま残り、入門クラスに参加しています。 私も来年もう一度、入門…

フィンランド語は魔法の言葉

中野・スオミ教会のフィンランド語入門講座、2カ月目の10月を迎えました。「この猫は小さいけれど、あの猫は大きい」 「あれはどんな猫ですか?」「白い猫です」 猫を使って基礎的な構文を練習しながら、とても不思議な気持ちになりました。 というのも、私…