翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳ですが、活字媒体が減少でリタイア状態へ移行中。JALのマイルを使って日本各地に出没。7人の仲間とウラナイ8で活動しています。

錦糸町のヘブンズドアへ続く道

旅のサブスクHafH(ハフ)で月一回、新宿や銀座など都内の一泊旅行を楽しんでいます。海外はおろか県境をまたぐ国内の旅もはばかられる状況では貴重な体験です。

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今月は錦糸町へ。

都内とはいえ東京の西側に住んでいるとあまりなじみがありません。サウナ激戦区といわれる錦糸町ですが男性専用の施設も多く、二の足を踏んでいました。ところが、カプセルイン錦糸町には100℃越えの女性用高温サウナがあると知り、いそいそと出かけました。

 

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自販機で入浴券を購入し、自分でタオルを取って女性用フロアに降りていくセルフサウナ。浴槽は水風呂のみで温かいお風呂はありません。サウナと岩盤浴の人向けに特化しているのです。

サウナ界のレジェンド、ぬれずきんちゃんの作法に習って、サウナの前に水風呂に入る「水通し」を実践している私にとっては最高の環境です。洗い場は温水も出るので身を清めて水風呂へ。

サウナは、テレビも時計もないストイックな灼熱の世界。女性客のほとんどは岩盤浴目当てなのか、貸し切り状態です。本当に熱い。視界の隅に小さなドアが目に入りました。

貼り紙には「サウナが熱ければ当然、ドアも熱くなっているので、勇気がある人だけここを開けて水風呂へ」みたいなことが書いてあります。サウナーの天国、水風呂へ直接ダイブできるヘブンズドア。しかし、サウナーにとっては汗を流さずに水風呂に入るのは地獄行きに等しい行為ですし、サウナ室に持ち込んだマットや手ぬぐいを持ったまま水風呂に入るわけにもいきません。結局、天国の扉をくぐる勇気が出なかったけれど、何度か通っているうちに道は開けるかも。通常のドアから出るにも、床に敷いてあるタオルが熱くて足の裏がひりひりしました。

洗い場で汗を流して水風呂へ。迂回したけれど、たしかに天国です。体を拭いて整いスペースへ。ふと手足を見ると、赤い斑点がびっしり。サウナー用語でいう「あまみ」、血管が拡張され血流がよくなったしるしと言われています。易の沢火革(たくかかく)、「君子豹変す」「大人虎変す」状態です。

 

すべての人を満足させようとすると、中途半端に終わりがち。「うちはこういうお客さんだけ」と振り切るのは冒険ですが、ぴたりとはまると最大級の顧客満足度が得られます。嫌われる人には嫌われていい。もう二度と来ないんだから。それよりも「あなたのここが好き」という少数の人だけと向き合いたい。灼熱地獄と水風呂天国を行ったり来たりしながらそう考えました。家の近所にある立ち飲み屋「田っくん商店」もそんなお店です。吉田類の「酒場放浪記」にも登場した名店なのですが、クリーニング店の外装をそのまま使っています。

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それでいて出てくるのは「ドライいちじくとサツマイモのクリームチーズ」「たことセロリと金柑の土佐酢和え」「海老しんじょ椎茸詰め」など、自家製の凝った酒肴の数々。リーズナブルな価格なのは、店構えに手をかけていないからでしょう。

 

あれもこれもと欲張らず、本当にほしいものだけに絞り込むのが天国に至る道なのかもれません。