翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳。副業で外国人に日本語を教えていましたが、2019年3月で卒業。フィンランドが大好き。ウラナイ8所属。

手に入れるより、捨てるほうが大変だ

『クリミナル・マインド』シーズン10の『地獄めぐり』で紹介された名言が紹介されました。

It doesn't take a lot of strength to hang on. It takes a lot of strength to let go. — J.C. Watts
しがみつくには、そんなに力が要らない。手放すには、強い力が要る。

アメリカの政治家J.C.ワッツの名言です。

この回は、父親に虐待された男性が、ダンテの『地獄めぐり』に出てくる9つの地獄に沿って殺人を重ねていくというストーリー。単に殺すのではなく、父への復讐という強い念によりやたらと手の込んだ方法で殺していきます。

 

虐待された育つと自分も虐待するようになると言われます。同情の余地のある犯人もいますが、対するFBI行動分析課のプロファイラーたちもそれぞれ心の闇を背負っていて、捜査する側、逮捕される側になるかは紙一重みたいなメッセージが込められているのでしょう。

トラウマとなった過去を手放すのは並大抵のことではありません。

 

そして「しがみつくにはあまり力が要らない。手放すには強い力が要る」は、こんなふうに脳内変換されました。

手に入れるより、捨てるほうが大変だ

 

クリックするだけで玄関先まであらゆる商品を届けてもらうことができる時代です。実際に手に入れると、イメージと違うとか、あまり使う機会がなくて死蔵。それらを捨てるにはエネルギーが要ります。粗大ゴミで出すならネットで申し込みんで処理券を買い、指定の日の朝8時までに出さないといけません。

何より、愚かな買い物をしてお金も資源も無駄にしてしまった自己嫌悪。つい、なかったことにしてクローゼットの奥に押し込みたくなります。

 

昨年の春、築20年のマンションを思い切ってリノベ。3LDKの仕切りを取り払って1LDKにしました。

収納は押し入れ部分と目隠しされた1・5畳のスペースにまとめました。

 

f:id:bob0524:20190331084347j:plain

 リノベ後の部屋で暮らし始めた直後は、すっきりした空間を保つつもりだったのに、1年以上たつとかなり乱れてきています。

 

コロナ以降、高価な洋服を着て出かける機会はめったになくなりました。新しい洋服を買うよりも、zoomで映る部屋がすっきりしているほうがずっとお洒落な生き方です。

改めて、今後は捨てるために要するエネルギーまで考えて買うかどうか決めようと決意しました。

 

昨年から始めた終活では、死後の事務処理をNPO法人に委託しました。

長生きしすぎてお金が足りなくなるのも困りますが、子供や孫がいない場合、死後にお金が余ったらどうするか決めるのも大変です。ハゲタカのようにむらがりそうな親戚に遺す気はないので、寄付する先を決めておかなければいけません。

このNPO法人と契約するのは、頼れる身内がいない人が大半です。他の方々はどうしているのか質問してみました。

自分で基金を作りたいという人もいたけれど、ものすごく大変。結局は国境なき医師団か山中先生、あるいはお世話になった病院といったところに落ち着くそうです。そしてこのNPO法人に寄付する人もいるそうです。たしかに、ここがなかったら、私は残りの人生が少なくなるのがとても不安だったでしょう。

今考えているのは、向学の志のある外国人留学生を受け入れ、しっかりケアしている単科大学への寄付です。国立なのでつぶれることもないでしょう。試しに昨年、少額の寄付をしてみましたが、対応は丁寧だったし、何より用途を指定して寄付できるのが気に入りました。

 

若い頃はお金が欲しくて、どこかに寄付するなんて思いもしませんでしたが、あの世にお金は持っていけません。お金を手に入れるのは簡単なことではありませんが、適切なところに回すのも大変です。