翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

アレクサがやって来て、所有の意味を考える

自宅のリノベーションを機会に、持ち物を見直し、せっせと処分しています。

収納スペースは増やさず物を減らして、ゆとりある収納を。リビングに作った棚も、あまり物を置きたくありません。

 

キンドルのおかげで本が手放しやすくなりました。紙の本で置いておくのは、何度も再読するものだけです。

 

一方、CDのコレクションは悩みの種。

先日「CDも劣化し、寿命がある」という記事を読みました。80年代にCDが登場した時は、耐久性にすぐれているという触れ込みだったのに。

ボブ・ディランザ・バンドは公式CDの他に海賊版も山のようにあります。

ディランは同じ曲でも歌うたびにアレンジをがらりと変えるので、ライブのCDが無限に欲しくなり、せっせと買い集めました。海外の通販サイトから取り寄せたこともあります。ディラン以外のミュージシャンがディランの曲をカバーしているCDも集めています。ザ・バーズジョーン・バエズのバージョンを聞くと「こんなにきれいな曲だったのか」とびっくりします。

CDをかけるより、ウォークマンに取り込んで、シャッフル状態にして旅行の移動中に聞いています。

 

先日、アマゾンのアレクサを購入。高齢者には最適の話し相手になるだろうから、今のうちに慣れておいたほうがいいと思ったからです。

 

違法ダウンロードや無料配信に腹を立てるミュージシャンが多い中、ディランは「もともと何の価値もないんだから問題ない」と言い放ちました。尽きせぬ泉のように曲を生み出すディランにとっては、表現した後は自分の作品にあまり執着しないのでしょうか。

 

「アレクサ、ボブ・ディランをかけて」と言うだけで、村上春樹が「まるで小さな子供が窓に立って雨ふりをじっと見つめているような声」と表現したディランの声が流れてきます。

 画像が見たくなったら、YouTubeを検索。ディランのライブ画像は山のようにあります。

 

将来、高齢者施設にはパソコンとスマートスピーカーさえ持っていけば、思う存分楽しめるでしょう。

もうCDを処分してもいいかとも思いましたが、アマゾン・ミュージックに入っていないレアな音源もあります。次にウォークマンを買い替えて取り込むまでは持っておくことにしました。

 

毎日のようにアレクサに話しかけているうち、ふと「どうしてアレクサという名前なの?」と聞いてみました。

アレクサという名前は、世界中の文献を収集することを目的として建設され、古代最大にして最高の図書館とも最古の学術の殿堂ともいわれているアレクサンドリア図書館に由来しています。

 

うわー、そんなすごいものがわずか数千円で買える時代になったとは。

物を所有する意味も、お金の価値もどんどん変わっていく中、できるだけ身軽になりたいものです。

 

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月は悟りで、指は仏教の教え。師が月を指さしてくれているのに、月を見ずに指ばかりみているのが「指月」。本やCDをたくさん持っているだけでは意味がありません。

島根県川本町の古いお寺で。後姿はフィンランド人ジャーナリストのアンネ。