目標を立てては、挫折の繰り返し。
目標といっても大それたことではなく、「仕事の締め切り、日本語学校の授業準備はぎりぎりではなく、ゆとりをもって、早めに着手する」「明日からお酒をセーブする」みたいなことです。
目先のことで気持ちが揺れたり、忙しくてゆとりがなくなると「ま、いいか、次からで」となります。
それがよくない!
次はありません。未来になってみると、また次の私の期待して同じことを繰り返します。
そういう失敗談がこの本にたくさん書かれていました。
私たちは未来の自分のことをまるで別人のようにとらえています。すっかり理想化してしまい、いまの自分の手に負えないことでも、未来の自分ならできるはずだと高をくくります。
中学、高校と定期テストの成績はさんざんでした。
「この学期の成績は悪くても、次の学期で巻き返す!」と、ろくに準備をしないからです。それで次の学期からまじめに勉強するかというと、そんなことはまったくなくて同じことの繰り返し。
そういうこと何十年も続けて、さすがに、未来の自分は今と同じようなグズだとわかってきました。
『自分を変える教室』で提示されている解決法の一つが、「将来の自分に会うこと」。
コンピューター・アニメーションの専門家が大学生を対象に高齢者になった時のアバターを作りました。歳を取った自分の姿を目の当たりにした学生は、それまでの2倍以上のお金を退職金口座に割り振ったそうです。
若い学生にとって、年老いた自分の姿を目にするのは相当ショッキングな体験でしょう。
50代半ばをすぎた私は、アバターを作ってもらわなくても、高齢者の自分をリアルに想像できます。未来の自分に期待するどころか、確実に今よりレベルダウンしていき、今日できることが、明日にはできなくなるでしょう。
ネットで見つけた言葉。
明日から毎日やろうではなく、今日だけはやろうにする。
仕事では先延ばし癖が出てしまいますが、易の勉強だけは、どんなに少しでも、毎日続けるようにしています。
易の64卦はぐるぐる循環していますから、一生かけても終わることがありません。
そして、悪い習慣に対しては、「明日からやめようではなく、今日だけはやめるようにする」。
そのために、お酒のまとめ買いをやめました。
家にお酒があると、酔った勢いで「今後、アルコールをセーブするためには、家にアルコールがないほうがいいから、さっさと飲んでしまおう」で考えて飲みすぎます。
家の近所に多数のコンビニがあり、すぐお酒が買えるのもよくないのですが、とりあえず家の冷蔵庫にビールが冷えているよりも、靴を履いて玄関を出てビールを買いに行くほうが深酒するハードルが高くなります。
未来の自分は人生の酸いも甘いも噛み分けた賢明な老婦人ではなく、酒浸りのどうしようもない老婆。そんな想像をして、明日から飲まないのではく、今日だけは飲まないようにしよう。
飲まない日があるからこそ、休みの前の日や旅先で本当においしく飲めます。
帯広の公園の散歩道。人生もこんなにまっすぐで平坦な道ならいいのですが、そうではなさそうです。