JALの機長が滞在先のハワイで飲酒して、ホノルル発の便が最大18時間遅れたという事件。
機長の年齢は私と同じ64歳。機長になるような優秀な人でも飲まずにいられないのでしょうか。検査記録を改ざんして旅先での過剰な飲酒を隠していたという報道に「さっさと退職すれば誰にも咎められず好きなだけ飲めるのに」と思う私もアルコール依存症に片足を突っ込んでいます。
飲酒リスクの高い「要注意者リスト」に入れられ、産業医と面談して禁酒を決めたのにまた飲んでしまう。私だって何度も禁酒を決めています。
両親が薬物依存で、ホームレスになってしまった少女がハーバード大学に入学したというリズ・マレーの自伝。リズの驚異的な努力と運の良さに感心しますが、それ以上に娘が二人もいるのにコカインがやめられない両親の姿に衝撃を受けました。
それ(コカイン)はまるで稲妻のように体のなかをかけめぐり、たとえほんの一瞬でも、何かが前へ進んでいく感覚を与えてくれる。
どきりとしました。私にとってのビールやワインも似たようなものだから。夜になって「意味のあることは何もせず一日が無為に終わってしまった」という気持ちを血中を流れるアルコールがなだめてくれるのです。
リズの姉は両親に批判的でしたが、リズは「ママはつらい思い出を忘れるためにドラッグが必要なんだ」と同情します。親がどうしようもないと、子どもも崩壊することもあれば、早く成長し大人なみの分別を持つこともあるのでしょう。
母は父と別れて別の男性と暮らすことを選びます。自分がやめたいと思っても父親が家にドラッグを持ち込むのでどうしてもやめられないというのがその理由。
「ママはね、ドラッグをやめようと思ってる。ほんとに、ドラッグはやめたいんだ」
「知ってるよ、ママ。私にできることがあればなんでもするから」
「本当に、リジー? だってね、今度こそうまくいくかもしれないんだもの。ドラッグのないところに行けば、ね?
「ドラッグをやめるなら、家の中に持ち込まないで。本当にやめたいならね。簡単なことだよ。
「でも、パパが持ってくるでしょ、リジー。パパはやめないし、それじゃあたしだって、やめられない。目の前にあったら、がまんできないよ。絶対無理」
親と子の立場が逆転しているような会話です。私もアルコールを家の中に持ち込まないようにしようと思うのですが、家の近所に24時間開いているコンビニが何軒もあります。
リズは両親の苦しみを見てきたせいで、ドラッグとアルコールには強い嫌悪感を抱き、絶対に手を出さないようにしていました。母からは何度もドラッグをやらないように懇願されています。
子どものころ、ママは何度か、ハイな状態が終わったとき、何かに憑かれたように真剣に私を見ることがあった。そして、泣きながら私に懇願した。
「リジー、おまえは絶対、ハイになっちゃだめ。ママの人生はめちゃめちゃになっちゃった。おまえがハイになったら、ママはすごく悲しむよ。絶対にハイになっちゃいけないよ、絶対だよ、いい、ベイビー?」
腕には乾いた血がこびりつき、目は不安におびえ、声には愛情があふれていた。それは誰にもまねのできない、もっとも胸に迫る反薬物メッセージだった。だから私は決してハイにならなかった。ただの一度も。
たとえ薬物依存症でも、娘の自分を心から愛しているという確信が持てたからこそ、リズは道を誤らなかったのでしょう。
彼女の本はベストセラーになり、ドラマ化もされました。両親は結局、コカインを打つ注射針からエイズに感染して亡くなっています。
改めて依存症の恐ろしさを感じたわけですが、あいかわらず飲んでいます

コロンビアからの帰路、ダラス・フォートワース空港のラウンジで作ってもらったカクテル。テキーラにケイジャン・スパイスを利かせたパンチのある一杯です。陽気なスタッフが「一口飲んだら踊り出したくなっちゃうよ!」と陽気なスタッフ。実り多かったコロンビア旅行をお祝いする気分が盛り上がり、やはりお酒とは縁を切るのは寂しいと思ってしまいました。
ひとつ救いがあるのは、温泉への依存がアルコールを上回っていること。温泉宿に泊まると、夕食後も入浴したいのでお酒を飲まないようにしています。だったら、なるべく温泉に滞在するようにすればいいわけで、この秋は日本各地の温泉を探索しています。
