翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

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毎年、誕生日には旅に出ることにしています。

今年はJALの「どこかにマイル」で福岡に行くことにしていたのですが、事情があって東京の近くを離れることができず、行先を変更して湯河原へ。

 

今年の春、易の本の公正合宿の第二弾でウラナイ8のユミコさん、杏子さんと湯河原に滞在しました。その際、お湯がものすごくいい「ゆっくり」という宿があると知り、いつかは泊まってみたいと思っていたのです。

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敷地内の地下から汲み上げた源泉をそのまま浴槽へ。毎日の気温に合わせて温度を管理しているので、水を加えないようにチェックイン時にも念を押されました。

サウナと水風呂どころか、露天風呂もありません。無色無臭のお湯は熱めで長湯ができず、短時間で切り上げます。

 

お湯の真価を実感したのは入浴後しばらくたってから。いつまでも体が冷えず、暖房が要らないほど。ふだん汗をあまりかかなくて代謝が悪いのですが、体の中の水分がどんんどん入れ替わっているのを感じられました。ふだんはお酒ばかり飲んでいるというのに、この宿では寝る前に一風呂浴びたいために、飲む気になれませんでした。

 

サービスは必要最小限。宿の方とお会いしたのは、チェックインと朝食の配膳、チェックアウトの時ぐらいでした。夕食なしの宿なので宴会もなく、夜も静かです。

 

朝食はチェックイン時にお願いできます。干物が主役で、ご飯と味噌汁はセルフです。

 

豪華な食事や部屋を求める人にはまったく向きませんが、お湯の力を求める人には大満足の宿です。

 

お湯のおかげで体調が整いましたが、あれこれ欲張らずにテーマを絞ることも学びました。観光スポットを回っておいしいものを食べ、珍しいお土産を買って、現地の人とも交流したいといった欲張りな旅の計画を立てても実現するのはむずかしいもの。グルメならグルメ、お湯ならお湯とテーマを決めてこそ、満足できる旅となります。

 

これは人生も同じこと。

イベントでの占いで「片思いの彼と両想いになる方法、嫌いな上司が転勤する時期を知りたい、そして体調の悪い母親が心配」の3つを占ってほしいというお客さんがいました。10分1000円でそれは無理だと伝えると「プロなのにできないのか」とたいそう立腹されました。

非常識なお客さんだと思いましたが、私も似たようなもの。健康で潤沢なお金を持ち、社会貢献しながら人間関係に恵まれて家の中はすっきり片付いた老後を望んでいました。優先順位のトップはやはり健康。とりあえずいいお湯のシンプルな宿を探すことにします。