7月末にウラナイ8の深瀬まるさんの主催で東西命術研究会が行われました。今回のテーマは小池百合子。
天海玉紀さんがまとめてくれました。
頼まれていないのに人のことを勝手に占うのはあまり褒められたことではありません。でも小池百合子ぐらい波乱万丈な生き方となると「いったい命式やホロスコープのどこが作用したのだろう」と考えたくなります。
インド占星術、東洋占術、西洋占星術と、さまざまな角度から読み解くことで、視点の違いと、深層にある共通点に思い至ることができる密度の濃い研究会でした。
小池百合子の日干は壬(みずのえ)。壬は陽の水ですから、海や大河。留学先のエジプトのナイル川のように氾濫した濁流みたいに見えます。
個性的な命式ですが、小池百合子が生まれた1952年の日本の出生数は約200万人。単純に365で割ると、5500人ほどが同じ日に生まれています。2時間ごとの時柱が変わるとして460人、男女で大運の流れが逆なので、さらに2で割って230人。時代を考えると、小池百合子とまったく同じ命式で専業主婦とか地道な商売一筋いう女性だっているのではないでしょうか。
これと同じことを、前回の研究会(コロンバイン高校銃乱射事件の犯人の二人組)でも思いました。誕生日によってすべてが定まるわけではありません。
小池百合子の運命を決定づけたのは、父親の存在とカイロ留学。四柱推命では、父親との強い結び付きが見て取れます。
もし父親が政治好きの山師みたいな人ではなく、平凡な勤め人だったら? マイホームパパとまでいかなくても、子供の学費をちゃんと出し、見栄を張ってお嬢様学校に入れなくても公立で十分と考えるような実直な人だったら?
小池百合子の父親は視察で訪れたエジプトのカイロが気に入って「ここに残りたい」と駄々をこねて同行者を困らせたというエピソードがあります。大好きな父親がそこまで入れ込んだカイロに留学して喜んでもらおうと思ったのではないでしょうか。やたらと横文字好きで、中高時代は英語が得意だったというから、本音では欧米に留学したかったはずです。
研究会の出席者には、小池百合子とよく似た命式を持っている方もいて、環境の持つ力の大きさが浮き彫りに。小池百合子がエジプトではなくドイツやフランス、イギリスに留学していたらドナウ川やセーヌ川、テムズ川の流れみたいな人生になっていたのではと話が広がりました。
人間が変わる方法は3つしかない。時間配分を変える、住む場所を変える、付き合う人を変える。最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。
政治好きで大言壮語の父親は参議院選挙に打って出て落選。借金取りに追われるほど逼迫した家計。留学先のカイロはコネと賄賂が横行する混とんとした社会。そこで「どんなことをしてでものし上がってやる」と決意し、アカデミックな学問よりも人脈作りに時間を配分したのでは。芦屋からカイロ、東京へと住む場所を変え、マスコミから政界へ、日本新党から自由党、保守党、自民党、都民ファースト、希望の党へと付き合う人も次々に変え、二世議員でもない女性がここまでのし上がってきたのです。
昨年、34歳にして世界で最も若い国家指導者となったフィンランドのマリン首相。フィンランドで女性首相は3人目です。隣国エストニアのヘルメ内相(70歳)は「売り子が首相になった」と中傷しました。どの国にもこういう爺さんがいるものなんですね。
マリン首相は「フィンランドを誇りに思う。この国では貧しい家庭に生まれた子供でも教育を受け、多くのことを成し遂げられる。レジ係も首相になれる」と応じました。
マリン首相の両親は離婚し、母親と同性パートナーに育てられました。貧富の差が小さいフィンランドですが、幼い頃は「どうして他の子どもたちが普通に与えられているものがうちにはないのだろう」と不思議に思ったそうです。
女子会ではなく、マリン首相が率いるフィンランド内閣。19人の閣僚の内、女性が12人。こんな国なら、『女帝 小池百合子』なんて本は絶対に出版されなかったはずです。
フィンランド人はシャイだけど、一度心を開けばどこまでもオープンになります。観光名所より普通の人々の暮らしに興味があると告げると、さまざまな職場に連れて行ってくれました。
ヘルシンキの広告代理店にはこんなスローガンが掲げられていました。