翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)、ビジネス記事翻訳。副業で外国人に日本語を教えていましたが、2019年3月で卒業。フィンランドが大好き。ウラナイ8所属。

湯水のようにお金は世界を流れている

別府は日本一の湧出量を誇り、その量は毎分83,058リットル。数多くの温泉施設がありますが、とても使いきれず海にそのまま流れ出ていると聞きました。

温泉のない地に暮らす者としては、なんともったいないこと!

 

お湯があり余っているのですから、自宅に温泉を引くことも可能。ただ、温泉成分がきつすぎてユニットバスではすぐだめになるそうです。パイプのメンテナンスも大変で、コストと手間を考えたら、温泉施設に行けばいいとなります。市内のあちこちに温泉があり100円や200円で入れるのですから、わざわざ自宅の浴室に温泉を引くメリットはあまりないでしょう。

 

ニューヨーク市場のチャートをながめていると、世界中のお金は別府の温泉のように大量に流れていると感じます。うまく売買して利益を出そうとするのは、別府の温泉をせきとめて自宅に引き込もうとするようなもの。大半は海に流れて還流するのですから、自分が楽しく生きるだけの量を使わせてもらえばいいと達観したいものです。

  

そんなことを思うようになったも、別府観光の父・油屋熊八を知ったから。

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別府駅前の油屋熊八像。あの世から挨拶しているポーズで、マントをつかんでいるのは小鬼。地獄めぐりを観光の目玉にしている別府ならではです。

 

油屋熊八は1888(明治21)年生まれ。大阪の米相場で大儲けして「油屋将軍」とまで呼ばれましたが、相場で全財産を失います。渡米してキリスト教の洗礼を受け、別府に身を寄せていた妻の元に戻り、旅館経営に乗り出しました。これが今の亀の井ホテル。シングルルームとサウナ、水風呂があるのでいつもここに泊まることにしています。

バス事業にも進出し、日本初の女性バスガイドによる観光バスを運行。別府を人気観光地にするために私財を宣伝を行いました。

 

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「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」というキャッチフレーズを考案したのも油屋熊八。こう記した標柱を全国各地に立てて回ったそうです。

 

亀の井ホテルの1階には油屋熊八の手形が飾られていました。

薬指へと上る見事な太陽線! 人をもてなして喜ばすことが大好きだったのでしょう。

別府に来てからは相場はきっぱりやめて、お酒も一切飲まなかったそうです。相場から離れられずアルコールばかり飲んでいる私とは正反対ですが、薬指へと上る太陽線だけは共通しています。

 

宣伝活動で私財を使い果たしたため、没後にホテルもバス会社も人手にわたってしまいましたが、経営が代わっても「亀の井ホテル」「亀の井バス」という名前はそのままです。財を遺さず名を遺す。こうありたいものです。