日本株はほとんど売り払い、アメリカ株にシフトしています。この8月、ニューヨーク市場はかなり荒れました。
アメリカ株をやるのに必要なのは、金融知識よりも胆力だと思います。
まずドル買いのタイミング。いつ買っても後悔しそう。90年半ば1ドル80円なんてタイミングでドルを買った人がうらやましい。しかし、私が子供の頃は1ドル360円の固定相場だったことを思えば、先のことは誰も予測できません。
経済記事を読んでいても「今後、1ドル140円になることもあるし、80円になる可能性もある」などとあり脱力しました。
先週の日経には「次の不況は予測不能」という大きな記事が載っていました。書いたのはフィナンシャル・タイムズの東京支局長。「次の世界的不況はいつ起きるかわからない。毎年流行するインフルエンザというより、新種の感染症が突然まん延する事態に近い」とのこと。
次の不況が起こってから買おうと目論んでいては、いつまでも買えそうにない。かといって、日本経済の先行きを思うと円のキャッシュを持っていることも不安。覚悟を決めてニューヨーク市場が開いている深夜にクリック一つで購入します。
若い人ならドルコスト平均法で毎月決まった額を投資するという方法が取れますが、50代後半の私はそんな悠長なことはしていられません。
ありがたいことにネットには投資ブログというジャンルがあり、投資家のリアルな体験が大いに参考になります。
アメリカ株といえば、このブログ。
株式投資ブログとはいえ、お金一辺倒にならず、アーリーリタイア後の明確なビジョンに感心しました。いくら上手に投資できても、リタイア後に時間を持て余し、酒浸りになって体をこわすぐらいなら、定年まで働いたほうがずっとましです。
特に参考になったのがこのエントリー。
https://freetonsha.com/2019/04/09/why-bunsan-needed/
東京電力の例を挙げ、かつては配当利回り7%で誰もが手堅いと信じ込んでいた銘柄が原発事故を起こして株価は暴落し、配当はゼロへ。
ドル相場や株を買った会社がどうなるか、予測するのは不可能だと割り切ったほうがいいと三菱サラリーマンさんはアドバイスし、「積極的な諦観」と呼んでいます。
この話は、英語で学ぶ仏教講座でケネス田中先生からも聞きました。
「あきらめる」は消極的なイメージがあるけれど、「明らかに物事を見ること」。現状を冷静に把握して受け入れる姿勢でもあると。
株は益が出ることもあれば、損することもある。だから手を出さないというのも立派な判断だし、受け入れた上でやってみるのも一つの選択です。損をすることも受け入れたのだから、暴落しても狼狽売りはしない。そして、易経では山沢損(さんたくそん)の次に風雷益(ふうらいえき)が続きます。陰陽は循環して、損ばかり益ばかり続くことはない。そう肚をくくって相場を覗いています。
占い師だからといって、株価の上げ下げを占うことはありません。それができるなら、占い師はみんな大富豪になっているはずです。いくら占いの腕がよくても、金運の器が小さければお金は入って来ません。そして、明治の易聖・高島嘉右衛門は「易のような貴いもので相場を占うのは、宝刀をもって料理するようなもの」と戒めています。
繁盛をもたらす福の神として仙台のお店からひっぱりだこになった仙台四郎。こういうのも自然発生的に起こるものでなかなか仕掛けてブームになるものではありません。