我が家に滞在した元教え子のマギー。
陽気なイタリア人というステレオタイプとはちょっと違い、もの静かでまじめです。
今年から学生のホームステイは引き受けないことにしていたのですが、マギーから連絡があり、うちに来ることになりました。
当初の予定では滞在は3か月。それを全部というのは長すぎるし、実家の介護帰省や旅行もあるし、3週間ぐらいでということになりました。
マギーから最初のメールが届いたのは8月の終わりごろ。10月はまだ先のことのように思えて安請け合いしてしまいました。
私の悪い癖なんですが、未来の自分は今よりちゃんとしているし、家も片付いているだろうと楽観的に考える傾向があります。
部屋は片付かず、マギーの来日の10月は近づいてくるし、だんだん気が重くなってしまいました。泊めてあげるといっても、せいぜい数日にすればよかったと後悔の念も。
マギーのほうからは「一泊いくらですか」と聞いてきたのですが、お金をもらうほどのことでもないし、「うちはカウチサーフィンもしているしお金は要らない」と返信しました。
そのあたり、どうするのがベストなのか、まだ結論が出ていません。
我が家に到着したマギーは、「光熱費や水道代がかかるし、無料というわけにはいかない。お金を払う」と言います。うーん、実費として数百円ずつもらってもしかたないし、そこは無料で押し通しました。
そこでマギーは外で食事をしたら、私の分も支払おうとします。断るとかえって彼女も気を使うだろうと思って、ラーメンとかてんやの天丼といった1000円以下の食事はごちそうになることにしました。
「週の大半は仕事が忙しいから、案内もできないし、食事も一緒にできない。近所のレストランやコンビニで適当に済ませてほしい、家では寝るだけ」と言っておいたのですが、マギーは夕方になると「どうですか、今日の夕食、一緒にどうですか」「先生の夕食も私が買ってきましょうか」と聞いてきます。それは辞退しました。日本語学校の授業準備が忙しいし、夜にスポーツクラブに行くことも多かったので。
マギーは近所にエアビーアンドビーを見つけて、我が家に1週間滞在後、移動しました。朝食付きで一泊30ユーロ、日本円で4500円です。やはりお金を取ったほうがお互い気兼ねなく過ごせるのかもしれません。
食事を用意しないといってもちょっと気が重く、マギーが到着する日の前日、こんな夢を見ました。
知り合いの外国人を泊めることになって準備していたら、子供を4人も連れて来た。とても無理だからホテルを探したほうがいいと話し合っていると、知り合いの知り合いも続々到着。その国の大統領までやって来て、もうどうでもよくなって、夜通しどんちゃん騒ぎ。
朝になると、家は土台だけ残して崩れ去ってしまいます。すると大統領が「もっと立派な家を建てましょう」と宣言。
気が重くても、マギーをホストすればそこからまた人生が発展していく、そうなってほしいという願望をストレートに投影した夢です。
夢がリアルだったので、背中を押されて家のリフォームをすることにしました。築20年のマンションでクロスやフローリングはそろそろ取り換え時。不用品を処分し、ちまちました仕切りを取り払っい、すっきりしたいとずっと思っていたのです。
マギーが来なかったら「そのうちリフォームしたい」とずるずる先延ばししていたところでした。
熊本・黒川温泉の「のし湯」は細部まで行き届いた居心地のいい宿でした。このレベルまで自宅を整えるのは無理でしょうが、目標にしたいものです。