「思いたったことはさっさとやろう」なんて威勢のいいことを言っていますが、いつまで続くことやら。
人のこともわからないけれど、自分のことを知るのも簡単ではありません。
ある程度の年齢になると、能力が伸びるよりも衰えていきます。
昔はさっとできたことが、徐々にできなくなっていくのでしょう。その見極めがとてもむずかしいと感じるのです。
ほぼ毎日、スポーツクラブに通っていれば、顔見知りもできます。ズンバやラテンなどダンス系のレッスンに出ているので曜日ごとのメンバーはほぼ固定しています。
熱心に通っていた人の顔を見なくなり、引越しでもしたのかと思ったら、「足を悪くしたらしい」と聞きます。痛みを感じていたのに、踊るのが好きだからサポーターを巻いてレッスンを続けていたらドクターストップがかかるまで悪くなってしまったという話を聞き、震えあがりました。
近い将来の私がやりそうなことです。
自分の体のことなのに、限界がわからない。「いつまでも若く元気でいたい」という欲が判断を狂わせます。
昔お世話になった方の年賀状に「この頃は何をやるにも時間がかかって…」みたいなコメントが添えられていました。
自分の原稿書きのキャパシティはゴム風船のように伸び縮みするイメージがあります。締切が迫っている仕事なら火事場の馬鹿力で一気に書き上げてきました。
ブラック企業として名高い居酒屋チェーンの元社長がこんなことを言っていました。
「『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。途中で止めてしまうから無理になるんですよ。止めさせなければ『無理』じゃなくなる」
うわー、これと同じようなことを自分に対して課していました。「ひとりブラック企業」です。
しかし、年を取れば確実に「無理」なことがでてきます。
長い間、フリーランスで働いている私は、毎朝、TO DO LISTを書き出します。あれもこれもと書いて翌日に繰り越しすることが多くなり、書くことが単なる儀式になってきたような…。そして一日の終わりにすっきり片付いたという気持ちになれないのです。
そこで読んだのがこの本。
新装版 だから片づかない。なのに時間がない。ーーー「だらしない自分」を変える7つのステップ
- 作者: マリリン・ポール,堀千恵子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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誰もがスケジュールを立てるとき、これくらいはできるだろうと自分の許容範囲を誤って見積もってしまう傾向がある。
そうなんです。朝のうちは、あれもこれもできそうな気持になります。1学期の終業式には夏休みにあれもできる、これもできると思っていたのに、8月の終わりに期待外れとなるのと同じです。
●TO DO LISTに載せるのは、その日に実行可能な用件に限る。その週・月・年のぶんをいっぺんに記入してはいけない。
●ひとつひとつを、一回で実行できるぐらいの小さな作業にする。
●その日に優先すべきものは何か、あらかじめ見極めておく。
これは一日にやるべきことだけでなく、この一生にもあてはまるのではないでしょうか。
失われていく一方の体力や気力を見極めながら、実行可能なものを確実にこなしていくやり方を身に付けないと、勢いに任せてがむしゃらに進んでは破たんします。
アルコールや食事の量も同じこと。年齢とともに基礎代謝は落ちているのですから、暴飲暴食は体にダメージを与えます。わかっていても、適量で止めるのはなかなかむずかしいことです。