棺桶に入るまで自分の足で歩きたい。毎日のようにスポーツクラブに通う理由の一つですが、体をなんとか保っても、脳が退化したら自立した暮らしは無理です。
そこで脳に関する入門書も読んでいます。
脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
- 作者: 築山節
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: 新書
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まず大事なのは生活のリズム。定年退職して行くところがなくなり、起きたい時間に起きるようになると、脳が退化するそうです。働かなくていい、つまり何も強制されない状態は最高だと思うの
ですが、廃人への道へと続きます。
自宅で仕事をするフリーランスの働き方を25年ほど続けてきましたが、起床時間は決めているし、スポーツクラブのレッスンに合わせて出かける毎日なので、なんとかここまで脳の機能は保たれてきた気がします(問題はこれから先です)。
そして、築山氏によると、家事は「面倒くささ」に耐える力を養う脳のトレーニングになるそうです。
小さな雑用を毎日積極的に片づけていると、その程度のことなら面倒くさいとは感じなくなってくる。同時にイライラも抑えやすくなる。これは脳の中で感情系に対して思考系の支配力が強くなったことを意味する。
家事が「脳トレ」になるといっても、毎日同じことを繰り返すのでは、あまり効果がありません。料理なら新しいメニューを作ってみる、部屋の模様替えをするなど、変化を持たせるといいそうです。
年を取れば仕事は先細りですが、自立した暮らしを続けるなら、家事は常にやらなくてはいけません。脳のためだと思えば、面倒な気持ちも少しはなくなります。
そして、宗教家にかかれば、家事は魂の糧に昇華されます。
ティク・ナット・ハンの皿洗い。
食事のあとの皿洗いがいやだと思うのは、皿洗いをする前までではないでしょうか。いったん流しの前に立って、袖をたくしあげて、温かい水に手を浸して洗いはじめたら、とても楽しい仕事です。私は一枚一枚時間をかけて皿を洗うのが好きです。
<中略>
皿を洗うことは目的であり、また同時に手段でもあります。言い換えれば、皿をきれいにするだけではなく、そのこと自体のために皿を洗うのです。いまこのひとときを十分に生きるために、皿を洗うことにいのちをかけるのです。
出典はこの本。
新装版 だから片づかない。なのに時間がない。ーーー「だらしない自分」を変える7つのステップ
- 作者: マリリン・ポール,堀千恵子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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老後はやることもなくてつまらない毎日の連続のように思えますが、意識を転換することで学びや修行の日々となります。そこまでの境地に達するのは容易なことではないでしょうが、少なくとも、そうした境地があると知ったことは幸運です。
家事というと真っ先にイメージするのがフィンランドの伝統的な農家。こういう家を切り盛りするのは楽しそうです。東京の狭い家も、物を減らして簡素化すれば、少しは近づけるのでしょうか。