人生に必要な知恵はすべてディラン先生に教えてもらった。
そんなふうによく思います。
恋愛についての占い鑑定の場、ボブ・ディランの「悲しきベイブ」が頭の中をぐるぐると回ることがあります。
「悲しきベイブ」は恋人への別れの歌です。
女性側の要求に応えられなくて、「君が求めているのは、俺じゃないんだよ」と別離を選択する男性の切ない思いが込められています。
この曲で女性が恋人に求める条件は以下の通り。
・いつも強くて頼りがいがある
・恋人の主張が正しくても間違っていても、とにかく守ってくれる
・あらゆるドアを開けてくれる
・恋人のためなら目も心も閉じる
・命をかけて愛し続ける
・落ち込んだときはなぐさめてくれる
・定期的に花を贈る
・電話すればすぐに駆けつける
・生涯の愛を誓う
ディラン先生は、こんな過剰な要求を突き付ける女性に、こう返します。
But it ain't me, babe
No, no, no, it ain't me babe.
It ain't me you're lookin' for, babe.
それはオレじゃないよ、
違う、違う、違う、
君が探しているのはオレじゃないよ。
少女マンガの愛読者で、時が来れば素敵な恋人が現れると想像していた私にとって、この曲は衝撃でした。
私が恋をしたり、結婚できたのは、まさにこの曲のおかげです。
恋は生身の人間同士のもの。
女性の皆さん、想像してみてください。
「いつも従順で、恋人の言うことには絶対に従う。友人の前では立ててくれ、笑顔を忘れない。どんなに遅くなってもおいしい料理を作って待ち、掃除、アイロンかけ、靴磨きも完璧」なんて条件を突きつけられたら、勘弁してほしいと思うでしょう。
理想を持つのはすばらしいことですが、恋愛に関しては、相手ばかりに理想を押し付けていては、恋は続きません。