80代後半の父が一人暮らししている神戸の実家に月1回のペースで介護帰省しています。
緊急事態宣言中はさすがにキャンセルしましたが、ケアマネさんとの打合せや郵便物の整理、自動引落としではない各種支払いなどがあり、行かないわけには行きません。
ケアマネさんは淡路出身。神戸なら東京から来たといってもそれほど嫌がられないけれど、四国は厳しいだろうとのこと。島根の友人が言った「東京は日本の武漢」という言葉が再生されました。
事務的なことに加え、私が介護帰省する大きな目的はヘルパーさんのモチベーション維持。家族がいるのにそっぽを向かれている高齢者よりは、月に一度でも帰省する家族がいたほうがヘルパーさんも少しはやりがいがあるのではないかと考えてのことです。
母と父が相次いで要介護となり、ヘルパーさんにはさんざんお世話になっていますが、本当に大変な仕事です。身体介護に加えて、他人の家で料理を作ったり掃除をするなんて、私にはとてもできません。
介護保険がない時代はすべてが主婦の仕事とされ、報酬も生じませんでした。介護保険という制度ができたことで、人の役に立つのが好きで家事が得意という人がヘルパーさんになっているのかもしれません。
とはいえ、ヘルパーさんは50代から70代の女性が多く、老老介護となっている現状もあり、これからは深刻な人手不足となるはず。私の介護が必要となる頃には、高齢者は施設に入るしかなくなっているのではないでしょうか。
ショートステイ以外の日は1日2~3回、30分とか45分という単位で来てもらっていますが、まとめて2時間のほうが効率よく働けるのに。近所の世話好きの主婦の方が多いので成り立っているようです。 介護保険でカバーできない部分は自費で補って頼んでいますが、いつまでこの状態を続けられることやら。
せめて私がいる時は何か手伝おうとしたら「これをしたら次はあれという順序を決めて30分内に終わらせるようにしているので大丈夫です」と言われました。だらだらネットを見ていたらあっという間に30分過ぎている身としては大いに反省。「ご家庭でもこんなにしっかり家事をなさっているのですか」と質問すると、「いやいや、家ではもっとのんびりやっています」。しかし、学べることは大いにあり、朝の家事の順序を決めました。
「洗濯機のスイッチを入れる→朝食→トイレ掃除→ルンバのスイッチを入れる→皿洗い→テーブルや棚の拭き掃除→玄関掃除→洗濯物をたたんで収納(入浴はスポーツクラブで済ませるので浴室は物干し場となっています)→洗濯物を干す」という流れ。これに加えて曜日ごとに掃除する場所を決めているのですが、そっちは時々さぼってしまいますが、「洗濯物を干す」まではとにかく何も考えずに手を動かします。
エプロンのポケットにICレコーダーを入れ、録音したラジオの英語講座を聞きながら掃除をします。本当は真剣に集中して聞いたほうがいいのでしょうが、それだと続かないだろうから。聞いていない講座が溜まってきたら、掃除ができていないサインです。
フィンランド西部の伝統的な農家のダイニングルーム。昔は多くの客を手料理でもてなしていたので主婦の仕事は大変だったことでしょう。
今ではフィンランドに専業主婦はほとんどいません。育児休暇、保育所が完備されていることに加え、仕事も家事も徹底的に効率化されているようです。オフィスワーカーは男女ともに午後4時に帰宅しますから、子育てと両立できます。
カウチサーフィンで滞在した編集者のお宅は、夫婦ともフルタイムで働き二人の子供を育てていました。特別な時しか凝った料理は作らず、曜日ごとに決まったメニューをルーティンで回していました。