2泊3日で帯広へ行ってきました。
東京の夏があまりにも暑かったので北海道に行きたくなったからです。
JALの「どこかにマイル」で候補地を出してみたのですが、みんな考えることは同じなのか、北海道がまったく出現せず。「どこかにマイル」は売れ残った座席がマイル交換候補になるのですから、しかたがありません。
そこで、航空券と宿泊がセットになったJALの格安企画を見つけ、帯広の北海道ホテル2泊で予約しました。
日本語学校の超繁忙期を、目の前に「北海道旅行」をぶら下げて乗り切りました。
北海道ホテルは帯広駅からはちょっと離れているのですが、「森のスパリゾート」という別名の通り、緑の木立に囲まれ、 評判のモール泉があります。
モール泉。
この言葉を最初に目にした時はショッピングモールの温泉かと思いました。
モールとはドイツ語の泥炭(Moor)。ドイツのバーデン・バーデンの温泉であり、植物性の有機物を含んでいる褐色のお湯です。
陰陽五行では、温泉は水と火。そこに植物の木が加わるのですから、水生木(すいしょうもく)、木生火(もくしょうか)の相生(そうしょう)の流れができて、最高の開運スポットです。
出発1週間前に北海道地震が起こりました。
キャンセルできないはずの格安ツアーなのにJALからは「地震のためキャンセルも可能」とメールが来ました。
地震の被害がそれほど大きくない北海道の各都市でも観光客のキャンセルが相次いでいるようです。
こういう時こそ、行かなくては。
素泊まりなので、夜は帯広駅まで歩き「北の屋台」で一杯。女将さんによると、外国からの観光客が激減し、人通りが一気に少なくなったとのこと。
冷蔵庫は無駄に開け閉めしなければ食材は大丈夫だったそうです。
帯広・十勝は日本の食糧庫。私が日々東京で口にしている野菜や乳製品の多くを産出しています。
北海道ホテルはパンがおいしいことでも有名です。朝食はホテルの売店でパンを買って食べました。
「小麦粉とバターが帯広で生産されるから、パンとお菓子は帯広の名物です」とホテルの人。六花亭の本店も帯広です。
こんなに食べ物がおいしくて、モール泉もあって、老後は帯広に移住するのもいいかも。
しかし、私が体験したのは、秋の3日間だけ。
そのうち厳しい冬がやってきます。もし冬に地震が起きて停電になれば、厳寒の中どうやって生き延びればいいのか。
帯広は車社会なので、車がないと生活が成り立ちません。ホテルから駅まで20分の道のりを歩いただけでホテルの人にびっくりされました。そういえば、道を歩いていても歩行者の姿をあまり見かけませんでした。
旅先だから、見る物すべてがめずらしく、すばらしい土地だと思えるけれど、現地で生活している人にとってみては、旅行者ののんきな感想です。
帯広のデパートをのぞいてみました。一番にぎわっているのは、催事場の「全国うまいものフェア」。
大阪や沖縄の名物に行列を作る帯広の人たち。「こんなに地元においしものがあるのに」というのも旅行者の勝手な感想です。
どんなにおいしい野菜やお菓子も、毎日食べたら飽きてくる。たまには違う土地の名物を食べてみたいと思うのは当然のこと。
帯広も旅先としては最高ですが、私が暮らすのはやっぱり東京しかないかもと思って帰ってきました。