フィンランド人のアンネと島根の川本町に一週間滞在して、東京に戻ってきました。
優春翠のおかげで、どこに行っても歓迎されました。日本を深く知りたいアンネにとっては何よりの体験になりました。
前回紹介した書籍『フルサトをつくる』には「単にお客さんとして過ごすのではなく、地元の人と交流して、できれば一緒に何かその地域を活性化させるようなことができると良い」と書かれています。
そのためには何か特技が必要です。
著者の一人、伊藤洋志さんはこう書いています。
ちなみに、特技というのは特殊能力だけではなく、草刈りができる、車の運転ができる、自炊ができる、PCのセットアップができる、ネットで買い物ができる、というレベルでも場所によっては特技になりえる。
私は車の運転ができません。公共交通機関が少ない地方では、車を持っている人に頼るしかなく、自分が役立つどころか、お世話になる一方。
アウトドア派ではないので、草刈りもあやしい。PC関係も苦手です。
それでも悲観することはありません。もう一人のphaさんはこう書いています。
都会で何かの文化を少し身につけてそれを田舎に持っていくという文化の輸入業的なことをするだけで結構人が集まってきて喜んでくれたりする。別に主催者が大したスキルを持っていなかったとしても、みんなで一緒に学ぼう、みんなで一緒に遊ぼう、というスタンスでやればいい。文化なんてそんなゆるい感じで、楽しみながら自分で作っていけばいいのだ。
そこで私は外国人を連れていくことで、少しでも地域の活性化につながらないかと考えました。
でも、人選がむずかしい。
外国人なら誰でもいいというわけではなく、日本文化に関心があり、地元の人と交流したいという人でなくては。
川本町は島根県中部の山間部に位置し、松江や出雲から電車とバスを乗り継いで向かいます。コンパクトに見て回れる観光スポットがあるわけではなく、体験型の滞在でなくては地域の良さは伝わりません。だから駆け足の観光旅行客を招いても、あまり意味がないのです。
こうした条件にぴったりだったのが、来日7度目で、今回は3ヶ月日本に滞在し、日本語や剣道、仏教を学んでいるアンネでした。
「川本町にふさわしい外国人と知り合う」という特技により、私も川本町に滞在できることになったのです。
見ず知らずの外国人旅行者を自宅に泊めるカウチサーフィンは、常識的な日本人にとっては「とんでもないこと」です。
リクエストがあればだれでも受け入れるわけではなく、プロフィールを読み込み、メールの交換を通して「この人と会いたい」と思える人だけを選んできました。
ほんの趣味として始めたことが、こうして大きく発展したのはとてもうれしいことです。
川本町まちづくり推進課の方がアレンジしてくださり、子供神楽の稽古見学が実現。貴重な衣装もアンネに着せていただき、子供たちも大喜びです。