朝日新聞の「老後レス時代」、朝から暗い気分になりますが、怖いもの見たさでつい読んでしまいます。
連載1回目の70歳を過ぎても働くしかないという人たちに対して、2回目は大手メーカーに勤める50代後半の男性社員。フレックスタイムを利用して朝早く出社し、タイムカードを押したら食堂でゆっくり過ごす。朝の数時間しか姿が見えないので若手社員に「妖精さん」と呼ばれているそうです。
妖精さんも若い頃は海外の工場勤務や新しい機械の導入で大いに働いていたのです。50歳を過ぎて事務部門に配置転換され、定年を待つだけの状態となり、若手社員のストレスの元に。会社側は解雇もできず、他に移すポジションもありません。
「妖精さん」は私とほぼ同世代。男女雇用均等法前、ぱっとしない成績の同級生の男子学生が次々と大手企業の内定を得ていました。日本は男に生まれたというだけで、下駄をはかせてもらえるんだとくやしい思いをしましたが、「妖精さん」として職場に居座るのも精神的にはきついでしょう。
そして昨日の朝刊の連載3回目は、就職氷河期に社会に出た女性たちが登場します。
超高齢化が進む日本は、男性より寿命の長い女性ばかりの「おばあちゃんの国」となります。ロスジェネ世代の女性たちは老後の生活に大きな不安を感じています。記事には「退職金もなく将来生きていくのであれば生活保護しかない。安楽死施設を開設してほしい」という声も。実際、国際医療福祉大学の稲垣誠一教授によると、未婚・離別のシングル女性は2050年には高齢女性の3割近くに足し、その約45%が生活保護レベルの貧困に陥る推計されるそうです。
私は四柱推命で120歳までの大運を出し長生きのリスクを計算していますが、これは生まれた時期と環境が自分の特質に合っていたおかげ。たまたま運がよかっただけで、貧困に陥るのは自己責任と切り捨てることはできません。
東洋占術を学び始めた頃は、「同じ日に生まれても男と女で大運の流れが逆になるなんて前近代的」とか「九星気学は生まれ年で本命星を決めるなんてずいぶん粗い」と思ったものですが、性別や生まれた時期によって個人の努力ではどうにもならない要素は確かにあります。運が悪かった人たちにも寛容な社会であり続けてほしいと願いますが、みんな自分が生き延びることだけに必死になる殺伐とした国になるのでしょうか。
ドン・キホーテを国を代表とするキャラクターに祭り上げているスペインは、老人と子供に寛容な国だと感じました。