欧米からわざわざ日本に留学してくる学生のほとんどはオタクです。
日本語を勉強する動機は、アニメやまんが、ゲームにハマったから。彼らの野望は、字幕や吹替なしでアニメを見ること、原文でまんがを読むことです。
作文の定番テーマの一つが「どうして日本のアニメが好きですか」。
「私の父はお宅です」と書き始めたベルギー人の学生がいました。熱心に漢字も勉強しているので、「オタク」を「お宅」と書いたのでしょう。
「ひらがなかカタカナで書きましょう。『お宅』は『あなたの家』のていねいな言い方です」と説明します。
彼女の母語はフランス語。父親の影響で日本のまんがをフランス語訳で読み始めたところ、あまりにへたな訳でまちがいも多いので頭にきて、日本語を勉強し始めたそうです。もちろん父親は大賛成。
チリ人の学生は、ゲームにハマって日本語の勉強を始めました。
一日何時間もゲームをするらしく「お父さんやお母さんは、『ゲームより勉強をしなさい』と言いませんか」と聞いてみました。
「母はそう言いますが、父は何も。私の一番最初の記憶は、父のひざの上で、父がニンテンドーのゼルダをプレーするのを見ていたことです」
彼らの親世代は40代半ばから50代ぐらいでしょうか。「オタク」という呼称が生まれたのは1970年代ですから、外国人のオタク第二世代が日本に留学する時代にになったのです。
1990年代後半に生まれた呼称「腐女子」も海外にすっかり定着しています。そっち系の話ばかりする女子学生に「もしかして腐女子?」と聞くと、「はい、私は腐女子です! 先生も腐女子ですか?」とものすごくうれしそうな反応。「いいえ、私は腐女子じゃありません」と答えながら、将来は「私の母は腐女子です」という腐女子第二世代が来日するのだろうかと想像しました。
フィンランドの図書館には、MANGAコーナーもあります。