先週は立て続けにカウチサーフィンのゲストを迎えたので、国際下宿屋のようになってしまいました。
といっても、ホストしたのはスザンヌとケネスの二人だけ。ケネスは週の始めに泊まって京都へ。木曜日には沖縄からスザンヌが戻り、週末に再びケネス。二人とも成田から出国するので、「もう一度来たら?」という流れになったのです。
だから二人とも日本最後の夜は我が家で過ごし、サヨナラ・パーティとなりました。
他のホストはもっと淡々と送り出しているのでしょうか? 旅人との名残が惜しくて、彼らが去ったあとは無性に寂しくなります。
ヘルシンキから来たスザンヌは、実際に会う前からあれこれ楽しませてくれました。
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4週間かけて日本中を旅したスザンヌは、全日程、誰かの自宅に泊めてもらったそうです。
カウチサーフィンでホストが見つからなくて、「明日はホテルを探さなきゃ」となっても、その日のホストが知り合いに電話して、次の目的地でのホストを紹介。「お年寄りの夫婦で、英語をまったくしゃべらなかったけど、なんとかなった」とスザンヌ。
沖縄でも到着当日のホストが決まっていなかったけど、たまたま那覇に向かう飛行機で隣席だった人の友人がカウチサーフィンをやっていて、空港に着いたらすぐ電話をして話をまとめてくれたそうです。
単に若い外国人女性だから親切にされているわけではありません。
スザンヌはヘルシンキでルームメイトと広めのフラットをシェアしていて、積極的に日本人のカウチサーファーを受け入れてきたのです。これは私も同じで、将来のフィンランド行きを見越して、フィンランド人旅行者を受け入れるようにしています。
そして、スピ系に表現すると、スザンヌの発するバイブレーションが高いから、周囲の人がつい手を貸したくなるのでしょう。
スザンヌは9歳からドイツで空手を始めて、黒帯。母国語はドイツ語ですが、流暢な英語を話します。17歳でフィンランドに移住し、フィンランド語をマスターして働いています。日本語も1ヶ月でかなり上達しました。
アラン・コーエンの本にこんな逸話がありました。
とある街の門番。旅人が訪れて「ここはどんな街?」と聞きます。
「あんたのいた街はどうだった?」と門番は聞き返します。
「最低だよ、ひどいところだった」と旅人。
「ここもそうだよ。気をつけて過ごすんだな」と門を通します。
次の旅人にも同じやりとりが繰り返されますが、
旅人の答えが違います。
「すばらしい街だったよ。みんな親切だったし」
「ここもそうだよ。楽しい滞在を!」
外国人旅行者にとって日本がどんな国かは、人によって感想はさまざまでしょう。
「物価が高い」「混雑している」など、客観的な視点もあるでしょうが、最終的には旅人自身によって印象が左右されます。
「4週間があっという間に終わってしまい、日本を去らなくてはいけないのがとても悲しい。絶対、また来るから」とスザンヌはフィンランドに帰国していきました。
大丈夫、どこにいようとも、あなたは楽しめるだろうから。