翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

シンガポールでカウチサーフィン

旅行者と現地のホストをつなぐカウチサーフィン。カウチ(寝場所)を提供してもらう以外に、旅先で地元の人とお茶を飲んだり、ちょっとした観光案内をしてもらうこともできます。

5月には、日本を旅するイギリス人紳士とカウチサーフィンを通してコンタクトがあり、おもしろい体験ができました。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20120524/1337812525

先週、シンガポールを旅したので、カウチサーフィンを試してみることにしました。
プロフィールを見ながら、誰にコンタクトを取るかを決めるのですが、これがけっこうむずかしい。ホテルは確保しているので、何時間か一緒に過ごしてくれる人がいればありがたいのですが、「この人と会ってみたい」と思わせなくてはなりません。

まず自分のプロフィールを充実させて自己アピール。次に目指す相手のプロフィールをよく読んで、「なぜ、あなたに会いたいか」を伝える必要があります。
プロフィールを閲覧していると、「我が家は無料宿泊所ではないし、私は無料ガイドでもありません。私のプロフィールを熟読して、なぜ私たちが交流すべきなのか、私を納得させてください。たくさんの人に出しているような同じ文面のメールは無視します」と明言している人もいます。

まずは年齢の近い女性にメールを出してみました。
「東洋系の占いを学んでいます。風水の本場でもあるシンガポールの文化や社会に興味があります。○日か○日でお時間があれば、コーヒーかビールを飲みながらおしゃべりしませんか?」とメールしましたが、返事はもらえませんでした。

もうちょっと本気で取り組まないとだめみたいです。
候補を女性4人に絞り、易を立ててみました。
Aさん 天地否(てんちひ)四爻・・・この人は返事をくれたとしてもノー(否)だろう。
Bさん 天山遁(てんざんとん)三爻・・・この人も無理そう。遁走、逃れる卦です。
ここまで立てたところで心細くなりました。先方を表す外卦(がいか)が二人とも天(乾)。陽爻オンリーで、取り付く島がないのです。
まだ候補は二人いるので、気を取り直して、再び筮竹を手にしました。

Cさん 火沢〓(かたくけい。けいは目に癸)二爻・・・二人の女性が反目する象。二爻なので、「巷(ちまた)ニ遭ウ」という爻辞から少しは可能性がありそう。しかし、Cさんのプロフィールを読むと「高校教師で朝が早いので、夜更かしはできない」とあります。夜型の私とは気が合わないでしょう。

Dさん 雷天大壮(らいてんたいそう)二爻・・・ようやく出た! この人しかいない! 爻辞は「貞シケレバ吉ナリ」。
Dさんも教師だったのですが、人生を変えてみたくなり、バックパッキングでヨーロッパを6ヶ月かけて回る旅に出ました。カウチサーフィンを活用し各国ですばらしい体験ができたそうです。
自己紹介に加えて、Dさんのプロフィールを読んだ感想、カウチサーフィン初心者としてぜひ話がしたいと書き添えてメールを送りました。カウチサーフィンのメール機能にはスペルチェックもあるので安心です。

ここまでエネルギーを注ぐのなら、お金を出して個人ガイドを雇ったほうが楽と言えば楽なのですが、英語の勉強、易の修業と考えれば苦になりません。

こうしてシンガポールでお会いしたDさんは、大阪大学工学部大学院への留学経験もある才媛でした。留学生の寮があったのは、阪神沿線の甲子園口。阪神タイガースの2003年の優勝をご存知でした。

待ち合わせ場所は、オーチャードストリートの高島屋ショッピングセンターにある紀伊国屋書店に併設されたカフェ。
カフェを出た後、シンガポールの才媛は紀伊国屋書店の広大な売り場を縦横無尽に動き回り、四柱推命の「窮通宝鑑」の原書も探し出してくれました。
レジで私がお金を払っていると、才媛は誰かと再会した模様。高校の卒業式以来会っていない元同級生とのこと。
才媛は「八字(バーツー/四柱推命のこと)の本を探すことになり、そのちょっとした時間の偶然で思いがけず旧友と再会できた。カウチサーフィンで私たちが会うのは必然の運命(ディスティニィ)だった」と言ってくれ、嬉しくなりました。