翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

吉方位講座ありがとうございました・「どこかにマイル」で占い練習

2月3日、節分の夜にウラナイ・トナカイで吉方位講座を開催しました。

出欠の取りまとめをはじめ、天海玉紀先生のおかげで成り立っている講座です。

 

九星気学は運気を読むというよりも開運術ですから、吉方位にどんどん行って新しい幸運をつかんでいただきたいものです。人間は動かないと、運気がよどみます。閉め切って風通しの悪い家に暮らしていると、運気は低迷します。

 

風水は読んで字のごとく、運気は風によってもたらされ、水にとどまるという意味。「風が吹けば桶屋が儲かる」じゃありませんが、風によって運気が活性化します。風は新しいニュースをもたらします。見知らぬ土地に出向いて、新しい情報を得ることが開運につながるのはこのためです。

 

風水の黒門先生の口癖は「どんなに開運術を実践しても、家の中に引きこもっていては、上がるのは健康運だけ。金運や仕事運、恋愛運は社会との関わりによって生じるものだから」。

 

株や仮想通貨など、引きこもっていてもクリックひとつで大金を手に入れることもできますが、ネットの向こう側には人間がいます。家から出なくても、ネットを通じてバーチャルに人と関わって新しい風を入れているわけです。

 

というわけで、吉方位講座で9人の参加者の方々と交流して、私自身も大きく運気が上がりました。ご参加ありがとうございました。参加者の中に、風水を実践して一気に開運した方もいらして、その方の運気のおすそ分けもいただきました。

 

節分の夜の講座が満席となり、玉紀先生が2月17日にも講座を設定してくださいました。こちらはまだ空きがあるそうなので、人生に新しい運を取り込みたい方、お待ちしています。

 

さて、講座終了後、玉紀先生と話していて、「どこかにマイル」の話が出ました。

昨年の2月からJALの「どこかにマイル」であちこち旅しています。

玉紀先生は「どこかにマイル」を占いの研究材料として行き先を当てるチャレンジをツイッターで展開されています。

 

私は2月下旬に「どこかにマイル」で旅をするので、これを取り上げていただくことになりました。

候補は四択です。

前回の「どこかにマイル」は極寒の旭川。仕事が立て込んでいたので、旭川駅ノマドワークができてちょうどよかったのですが、さすがに冬の北海道はきつかったです。

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そこで2月の「どこかにマイル」は東京より暖かいところで候補をしぼりました。

 

候補地1 高知

去年の2月「どこかにマイル」1回目で行きました。

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思いがけず阪神タイガース二軍の安芸キャンプに遭遇(関西出身ですから虎ファンです)。今年は戌年ですから、寅と戌の三合で運気があがりそう。高知には人相、手相の師匠の天童春樹先生がいらっしゃるので、天童先生からのアドバイスが必要なら、高知になることでしょう。

 

候補地2 那覇

那覇は2回目の「どこかにマイル」で行き、梅雨の晴れ間の沖縄を満喫しました。

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東京の寒さを逃れて、2月の沖縄も大いに楽しみです。

 

あとの二択は九州です。

候補地3 鹿児島

候補地4 宮崎

鹿児島も宮崎も温泉の宝庫。どちらになっても喜んで旅立ちます。

 

というわけで、この四択、すでに結果は出ていますが、どこになるか占いの練習問題として活用していただければ幸いです。

玉紀先生のツイッターで受け付けます(何から何まで、玉紀先生、ありがとうございます)。

twitter.com

 

正解者の特典は、本命星別開運アドバイス。ご参加お待ちしています。

 

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「どこかにマイル」北九州で訪れた亀山八幡宮。東洋占術では、亀は知恵や教育の象徴。ここを訪れたおかげで、日本語教師の仕事は大変ながらもなんとか続けています。

世の中がまちがっているということを前提にする

50代も半ばを過ぎ、そろそろ引退したいのですが、高齢化が進む日本ではそういうわけにもいきません。

仕事に加えて、年老いた親の遠距離介護がずっしりとのしかかってきます。

 

とりわけ煩雑なのが、母の成年後見人の件。

家庭裁判所や法務局に加え、投資好きの母は複数の金融機関を使っていました。

帰省時に一気に片付けようとしたのですが、印鑑証明が必要だったり、思うように進みません。

証券会社系の銀行は郵送で手続きができるのですが、申込時に聞かれた携帯電話の番号に電話がかかってきます。電話されても、こちらは日本語学校で授業中。「またお電話します」という伝言に加えて複数の着信。授業が終わった5時過ぎに折り返しコールセンターに返信すると、待たされたあげく担当者はすでに退社したとのこと。

「お取引番号を教えてください」

「私が取引しているわけじゃなくて、母が取引していて、成年後見制度の手続きです。電話をいただいても勤務中は出ることができないので、メールで連絡していただけませんか」

「当社はメールでのやりとりはいたしておりません」。

 

頭に血が上りますが、コールセンターの人もマニュアル通りの対応をしている非正規雇用者かもしれません。

 

嫌気がさして、すべてを投げ出したくなります。

 この社会の仕組みはなんて理不尽なんだろうと憤ったところで、思い出したのがこの本。

 

専業主婦は2億円損をする

専業主婦は2億円損をする

 

 

刺激的なタイトルで、そうは言われても専業主婦を選ばざるを得なかった人は頭に来るでしょう。

内容は賛否両論あるでしょうが、この本の前提となった思想に大いに共感しました。

理想の社会などどこにもありません。ここで提案しているのは世の中がまちがっているということを前提としたうえで、どうすればあなたが幸せになれるか、ということです。

 

生きていると、「こんなの無理、どうしてこうなっているの」と憤ることの連続です。

ライター業では、突然の企画変更やめちゃくちゃな締め切り。

そして外国人相手の日本語教師は、想定外のことばかりです。

 

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世の中が変わるのを待っているうちに、人生が終わってしまいます。

世の中はこんなもんだと割り切って、自分にできる範囲のことを淡々と進めていくしかありません。

 

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 ハノイのお寺で見かけた猫。誰が飼っているのか、観光客が餌を与えているのか…。猫なりに適応してしっかり生き抜いているのでしょう。

大人の社会科見学

母親の成年後見人の件で走り回っています。

日本語初級の外国人を相手にしていて、日本語能力が退化したのか、裁判所や法務局、金融機関で使われる日本語がよく理解できません。印紙を買うにも窓口を行ったり来たりする始末です。

 

そして、金融機関での成年後見人手続きもやたらと煩雑で時間がかかります。

そもそも母はどうして複数の金融機関に口座を開いていたのか。銀行と郵便局だけにとどめておけばいいのに、信用金庫だのネット銀行…。

さらに証券会社。

私の母は専業主婦でしたが、株取引にかなりのエネルギーを注いでいました。ネットが普及する数十年前、リアルタイムの株価は短波放送で延々と読み上げられていました。母は家事をしながらラジオをつけっぱなしにして、証券会社に電話して売買注文を出していました。

 

生意気な子どもだった私は、「私は株なんてやらない。私は額に汗してまっとうに働く」と嫌味なことを言い、事務職に就いたのですが、入社して3日目には「こんな単調なことを毎日8時間もやるわけ?」と絶望し、会社帰りにコピーライター養成講座に通い、広告制作会社に転職しました。

結局、私も額に汗するまっとうな仕事はできず、趣味の延長のような原稿書きを本業にし、マネー取材をきっかけに株に手を染めてしまいました。これが血筋というものなんでしょうか。

 

成年後見人がこんなにめんどうなら司法書士に丸投げするべきだったのですが、私の一族はお金への執着が強く、どうしても私が引き受けざるをえなくなったのでした。

 

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「どうして私がこんなことを」と恨みつらみが出そうですが、引き受けてしまったものはしかたがありません。

家庭裁判所や法務局、そして金融機関は、私の適性とは正反対の職場であり、「こんな仕事を毎日している人がいるんだ!」と、おどろきの連続です。

向こうからすれば、フリーランスで雑誌の記事を書くというやくざな商売をしている私を「そんな仕事があるなんて」と驚きの目でながめることでしょう。

しかし、時代の波に翻弄される点は同じです。活字媒体の縮小に伴い、雑誌のライターは消えつつある職業であると同じく、金融機関の職も今後は縮小されていくでしょう。副業の日本語教師という仕事も、日本の国力が衰えるとともに日本語学習者が減り先細りは必至です。

 

手続きに延々と時間がかかるので、銀行員の仕事ぶりがじっくり観察できます。

マニュアルを見たり、関係部署に問い合わせながら書類をチェックし、ハンコを押す手元を見ながら、「お互い、歩んできた人生は正反対だけど、とにかく働いてきたよね」と心の中でつぶやいています。

 

昔は取材記事が多かったので、さまざまな仕事に触れる機会がありましたが、今は占いや開運記事が多いので、家にひきこもって誰とも会わずに原稿を書くことが多くなりました。

こんな機会でもなければ、人の仕事ぶりを観察できません。

いわば大人の社会科見学のようなものだとおもしろがることにしました。

 

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ハノイでは、路上でさまざまな商売が展開されていました。これこそ額に汗して働くまっとうな商売ですが、ベトナムの経済発展とともにどう変わっていくのでしょうか。

お金は仮想? 幻想?

私の専門の東洋占術は、精神的な幸福よりも世俗的な満足を重視します。お金が儲かるか儲からないかは、最大のテーマ。占い学校の易の講座には、デイトレーダーも通っていました。

 

私自身は、株で儲かるか儲からないかは占わないことにしています。

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お金はないよりあるほうがいい。

明日の食事に困るような生活では幸福感は得られないでしょう。

 

でも、お金はあればあるほどいいとは思えません。

 

身内の恥ですが、子どものいない伯母2人が相次いで亡くなり、小金を貯めていたばかりに、残された親族で骨肉の争いが延々と続いています。

生きるための最小限のお金と葬式代だけあれば、最後を看取った親族は美談で終わったのに、ある程度まとまった金額があると、権利を主張したくなるのでしょう。私の代で親戚付き合いは終わりそうです。

 

そんなにお金が欲しいのか。

生活するだけのお金があれば、それ以上のお金は邪魔になるような気もしています。

 

巷では仮想通貨で大金持ちになった人が多いそうですが、これを読んで「なるほど!」と思いました。

 

ビットコインで「億り人」になってもナゼ幸せではないのか?

www.shinoby.net/2018/01/11594/

 

これによると、仮想通貨の変動があまりにも激しいので、値上がりしても喜ぶより、不安になるそうです。

 

かといって、売却して利益を確定するのもためらわれます。個人で利益確定をすれば、雑所得として確定申告しなければなりません。1億円の評価益があっても、売却して1億円の現金を手にできるわけでは無いのです。最大で45%の税率(住民税込みだと55%)が課せられます。

また、仮想通貨に対する先高観は相変わらず根強く、現時点で利益を確定してしまうと、将来上昇すれば悔しい思いをすることになります。それを考えると、なかなか売るにも売れないのです。

 

私も株式投資をしているので、市場が大きく動く時は心がざわざわします。

でも、こまめな売買はせず、基本はほったらかし。

 

生活費以上のお金は、しょせん仮想であり幻想じゃないかという気がするからです。

私が四半世紀以上にわたって稼いできたのは原稿料です。

コピーライターや雑誌のライターとしてお金がもらえたのは、たまたま時代がよかったから。あぶく銭のようなものです。現在、原稿書きをマネタイズするのはけっこうむずかしいでしょう。

 

そんな虚業で得たお金が増えようが減ろうが、生活さえできればどうでもいい。

そう開き直ることでお金について精神の安定が得られます。

 

ベトナムハノイでお金について考えさせられることがありました。

 

ベトナムの通貨のドンは単位が大きくて、計算が大変です。両替すると何百万ドンも渡されて頭がくらくらします。1円が約200ドンですから、ゼロを2つ取って2で割ると日本円になります。

 

ホテルで「タクシーは市内なら10万ドン以内です」と説明されました。10万ドン、つまり日本円で500円。初回に乗ったときは6万ドンでした。

 

ところが、水上人形劇を見て、ホテルに帰るために乗ったタクシーでは、60万ドンを請求されました。メーターには60という数字が出ています。

 

私は計算が苦手なので、一瞬、私のほうがまちがえているのかと思いました。

でも60万ドン、ゼロを2つとって6000、2で割って3000円。東京のタクシーより高いじゃないですか!

そして、タクシーが止まった場所はホテルのエントランスではなく手前の路上。ますますあやしい。ホテルのドアマンに交渉を頼めば、絶対に論破してもらえるはずです。「ホテルまで行ってください」と強く主張し、しばらく押し問答になりました。

ホテルまで行ったら悪事がばれるし、通報されるかもしれないから絶対に避けたいのでしょう。親分?に電話して、結局メーターから0を取って6万ドンで済みました。

 

若いドライバーでした。車を借りて違法のタクシー営業をしているのでしょう。10人乗せてそのうち1人でも、だまされたりあきらめて10倍の価格を払えばペイします。

 

お金が仮想か幻想なら、10倍の価格を払ってもどうってことないじゃないか。

いや、それとこれは違う。こんな商売はまちがっている。

 

ビットコインの1億円から、ベトナムのタクシーの60万ドンまで、お金に対する思いが錯綜しました。お金との付き合いは本当にむずかしいものです。

 

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亀の都、竜の海

ハノイに行ったのは、中国文化の影響が強い地だから。

ベトナムは「越」の国。「呉越同舟」の「越」です。

南のホーチミンより、北のハノイのほうが中国に近く、いつか訪ねてみたいと思っていました。

 

東洋占術、中でも易経を学ぶ者にとって、ハノイはあこがれの地です。

 

まず訪れたのが孔子廟(文廟)。ベトナム最古の大学でもあります。

  

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亀が背負っているのは、科挙の合格者の名前。東洋占術では、亀は陰陽五行で水を司る聖獣であり、知恵の消長です。

  

そして、ハノイ孔子廟には登竜門もあります。

門の前には池があり、まさに鯉が登ってドラゴンになるイメージです。

易の六十四卦の一つ、「乾為天(けんいてん)」は竜の成長物語ですが、池のほとりに立っている「或躍在淵(あるいはおどりて、ふちにあり)」という爻辞が浮かんできました。四爻で、竜が地を離れて飛び上がったりやめたり、逡巡している状態です。そこを乗り越えて五爻に達すると「飛竜在天」となります。

 

ポケモンGoをやっている外国人学生から「どうして弱そうな鯉がドラゴンになるんですか」と質問されることがありますが、これこそ東洋思想の源流です。

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ハノイは、亀の都。

ハノイのホアンキエム湖には、亀の伝説があります。

15世紀、中国の明の支配を受けていた時代、ベトナムの初代皇帝は湖の宝剣によって明を駆逐しました。のちに湖から神の使いの亀が現れ、宝剣を返すように公邸に告げました。湖の名前のホアンキエムはベトナム語で「剣を返す」という意味だそうです。

 

 

そして、ハロン湾は竜が降り立った場所。

中国の侵攻に苦しんでいたベトナムを救うために竜が降り立ち、口から宝玉を放って敵を駆逐しました。その宝玉が奇岩に姿を変えたという伝説があります。

 

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ハノイハロン湾、ようやく夢が実現した旅でした。

一度だけでなく、再訪したい。こうして旅の目的地が無限に増えていきます。