翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

機内食を食べないという選択

JALの成田・ハノイ便は18時30分発。

2時間前の16時30分にチェックインして、さくらラウンジへ。JALのグローバルクラブ会員に一度なってしまえば、帰省のたびの搭乗で会員ステータスを維持できますから搭乗前にラウンジでくつろげます。

 

ラウンジではアルコールを含むドリンクが無料。国際線は食事のサービスもあります。サラダや点心、スープ、カレーを味見して、スパークリングワイン。すっかりおなかいっぱいです。

 

搭乗してしばらくすると機内食が出ます。

もう夕食を済ませているのだから断ればいいのに、どんなメニューなのか好奇心もあり、ついもらってしまいます。

隣の席の人は断っていました。キャビンアテンダントは「さくらラウンジで召し上がったんですね」と声をかけていました。

 

この機内食が、なかなかのものでした。「若き料理人による機内食」がテーマ。

白和えにきんぴらごぼうの前菜にメインの牛肉もふっくらと煮上がっていて、味見のつもりだったのがつい食べ過ぎてしまいした。

 

油断するとすぐに太ってしまう体質です。

断食で体重を落としたこともあります。

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体の声に耳を澄ませて、必要以上に食べない。

そう誓ったはずなんですが、時間がたつと忘れてしまい、旅に出ると舞い上がって食べ過ぎます。

だからなるべく食べ放題のバイキングは避けています。旅先の朝食ではバイキングしか選択肢がないことが多いのですが。あれこれ目移りして皿に盛ってしまい、盛り付けもきれいじゃありません。作り置きの料理はあまりおいしくないし、周囲がしょっちゅう立ち上がって歩き回りおちつかない雰囲気も嫌いです。

 

機内食を断る勇気、そしてバイキングでも優雅においしく食べる作法。これを身に付ければ、旅はもっと充実したものになるはずです。

 

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 ベトナムの市場に並ぶ生命力あふれる野菜。

 

 

 

格安の海外旅行はいつまで楽しめるか?

お正月休み明けにベトナムを旅しました。

 

日本語教師として勤めている日本語学校は、非常勤でも有給休暇がもらえます。

選択科目の作文を教えているのは私だけなので、1年9カ月、1回も休んだことがありません。休むとなると引継ぎがとても面倒だから。

でも、これから不慮の事態で休むことだってあるでしょう。ここらで一度休むことにしました。

この2年間、旅行といえば、最長で3泊4日の国内旅行でしたが、水曜日の授業を休めば、海外に行けます。

 

2年前の1月は台湾に行きました。

この頃はけっこうヒマでした。カウチサーフィンで検索してメールをやりとりして、陳君に嘉義を案内してもらいました。

 

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海外旅行の醍醐味は現地の人との交流。単に観光スポットを巡るだけではつまらない。

 

しかし今は、日本語学校で私以外は全員外国人という教室で教えているのですから、わざわざ旅先で外国人と知り合いたいという気持ちが弱くなりました。

 

ハノイ2泊、ハロン湾1泊、機中泊の4泊5日の旅。

JALの「どこかにマイル」のために少しでもマイルを貯めたくてJMBツアーを選択。空港の送迎、ハノイハロン湾観光付きで自由行動が丸1日あります。

 

なんと、ガイドと運転手さんが二人付くプライベートツアー状態。車は乗り心地のいいニッサン車でした。

支払った金額は11万円ちょっと。ホテルはハノイシェラトンハロン湾がノボテル。日本では泊まるのを躊躇するような高級ホテルでした。

 

国内で貸し切りタクシーの旅をしたらこの数倍かかることでしょう。

ベトナムの物価が安いので一般の日本人でも大名旅行ができるわけですが、これがいつまで続くことやら。

 

ハロン湾は大規模開発の真っ最中。

ホテルの部屋はオーシャンビューでしたが、延々と工事中の風景が見渡せます。

 

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ガイドさんによれば、観光客で最も多いのは中国人。

建設中のカジノやアミューズメントパークは中国人観光客向けでしょう。

 

数年後、ハロン湾がどんな発展を遂げているのか見てみたいのですが、日本人には高すぎて手が届かない観光地になっているかもしれません。

ベトナムでは日本語学習熱が高く、来日する留学生も多いのですが、仕事のためなら日本語より中国語を身に付けたほうが有利でしょう。

 

国内旅行より海外旅行が格安なのは、経済大国日本に生まれたからこそ。

この数十年、日本人として当たり前に享受してきた恩恵ですが、そろそろ終わりが近づいているようです。

 

「5分間お掃除レスキュー」と「雪だるま式返済法」

昨年読んだ本で最も役に立ちそうなのがこの本。

 

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

この本については、一度書いています。

飲み過ぎ・食べ過ぎの対策として、自分の意志力を過信しないことを学びました。

 

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他にこの本で感銘を受けたのは、「変化を細かくする」という章。

新年を迎えてあれこれ目標を立てたものの、すでに実現をあきらめているなんてことはないでしょうか。

それは、目標が大きすぎたから。変化を実感する単位を細かくすればいいのです。

 

たとえば、掃除。

年末ぎりぎりまで仕事をしていたので大掃除までとても手が回らず、「大掃除の必要がないように、日ごろから計画的に掃除をしよう」と思うのですが、年が変わってもあいかわらずの忙しさで家は散らかったまま。

一日ごと一時間ごとに部屋の書類の山は高くなり、洗濯物の量は膨れ上がり、食器棚のほこりはたまっていく。問題が悪化するにつれて、恐怖は増していく。すると家を掃除する気がなくなり、ますます家は汚くなっていき……まさに悪循環だ。

 恐怖。

家が汚いだけで何が恐ろしいのでしょうか。でもたしかに、いつまでも片付かない部屋にいると恐怖を感じます。その理由は「家を掃除ずるためには、家がきれいになるまで作業しなければならない」と恐怖するからだと説明されています。

その最終状態までの道のりを想像し、クロゼット、食器、カーペット、トイレ、床などゴールにたどり着くまでに手をつけなければならないものすべてを思い浮かべると、ドアさえ開けるのが怖くなる。手に負えないと感じるからだ。

そこで、家を完全にきれいにするのではなく、「今よりきれいにする」という小さな目標にすることで、恐怖から解き放つのです。

 

その具体的な方法が「5分間お掃除レスキュー」。

キッチンタイマーを用意して5分間にセット。家の中で最悪の部屋に行く。タイマーをスタートさせたら、手あたり次第に片付けていく。タイマーが鳴ったら作業は終わり。

 

もちろん5分間でできることは限られています。でも、とりあえず始めることで、自分にもできるという自信が持て、恐怖が消えます。

「面白くもない作業を始めるのは、それを続けることよりむずかしい」

5分という短い時間を設定することで始めるハードルはぐっと低くなります。

 

『スイッチ』では人間の精神的エネルギーは有限だと繰り返し説かれています。

そして理性より感情のほうが人間を動かすのです。

 

次に紹介されているのが負債と戦う「雪だるま式返済法」。

 

たとえば学費ローン、住宅ローン、自動車ローン、さらにクレジットカードで借金を重ねた夫婦。

「雪だるま式返済法」では、まず負債をすべてリストアップして、金属の小さい順に並べていきます。次にすべての負債の最低支払金額のみを払います。そして残りの支払いをリストの一番上の負債に当てます。

最も少ない負債なのでかなり早く返済でき、線を引いてリストから消します。負債がひとつなくなるたにに最低支払金額が減るので、次の負債に当てられる資金が増えるので「雪だるま式返済法」というわけです。

 

この方法に賛否両論があるのは、利息が一切考慮されていないからです。

ローン返済は利息の高いほうから払うのが原則のはず。

考案者の個人ファイナンスの達人、デイヴ・ラムジーはこう説明します。

計算は確かに重要だが、ときには計算よりもやる気のほうが大事だということを学んだ。それが現実なのだ。考えてみてほしい。ダイエットに挑戦して、一週間目に体重が落ちたら、ダイエットを続けようと思うだろう。しかし、ダイエットに挑戦して体重が増えたり、六週間たっても目に見える効果がなかったりしたら、あきらめてしまう。

<中略>

雪だるま式返済法を始めて数日で債務をいくつか返済すれば、確実にやる気がわくのだ。心理学の修士号を持っていようが関係ない。やる気を燃やすには、小さな成功が必要だ。そして、やる気を燃やすことが何よりも重要なのだ。

 

最もやる気を奪うのは「自分でコントロールできない」という無力感です。

どんなに小さな成功でも成功すればやる気がでます。

 

「きちんと家を整える」ではなく「とりあえず5分掃除しよう」。

そんな小さな成功を積み重ねていきたいものです。

 

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 茨城県大洗海岸の日の出。今年は午の月(6月)に大洗に行こうと計画しています。

ゴミ出しは開運の要

日本の風水では、トイレ掃除が重視されます。

「お金持ちの家はトイレがきれい」とトイレ掃除がブームになり、女性誌の記事を何本も書いたものです。

 

本場中国の風水では、一番重要なのは玄関で、トイレなんて考慮されないといわれています。古代中国ではトイレは家の外にある不浄の場ですから風水的に整えるなんて発想はなかったのでしょう。

 

水洗トイレが普及し、トイレが家の中に設置されるようになった日本では、トイレの風水は重要です。トイレの汚い家は金運が低迷します。

経済成長を遂げた中国の富裕層に日本のハイテクトイレが人気です。

 

風水では流れを重視します。入ってくるだけではダメ。やがてよどみが生じます。入ってきたものをスムーズに外に出すことで、循環が生まれ、さらに豊かになっていきます。これを体に置き換えれば、排泄の場所であるトイレはきれいでなければいけないということになります。

 

お金を貯め込むだけでは財は作れません。上手に使うことで、リターンが得られるのです。私は「上手に使う」才覚がないことを自覚し、余剰資金ができたら好感の持てる企業の株を買ってきました。

自分の代わりに企業で働く人が経済活動を展開してくれるのだから、こんなにありがたいことはありません。長期保有を原則として、細かいことは考えず、気にするのは買うタイミングだけです。

 

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 家の中にはさまざまなものが入ってきます。入る一方では家の中があふれます。スムーズに出していくという意味でトイレと同じく重要なのがゴミ箱。

ゴミ出しがだらしない家は金運にもしまりがありません。

 

よって私が絶対にさぼらないのはトイレ掃除とゴミ出し、ゴミ箱の拭き掃除。

マンションのゴミ置き場にいつでもゴミは出せることになっているのですが、燃えるごみの収集がある水曜と土曜の朝に収集場に出すようにしています。

ゴミ袋を台車に乗せて運ぶ管理人さんが大変だろうし、ゴミ出しぐらい自分でやりたいからです。

 

お正月でゴミ収集が休みになりましたが、平日モードになり週2回、ゴミが出せるようになりました。ゴミ収集こそ、住民税を払っている最高の対価だと感謝しながら、ゴミを出しています。

週2回で年100回以上ゴミを出す計算ですが、できれば、ゴミを少なくしてもう少し小さい袋で出せるようになりたいものです。そして、風通しのいい家にしたい。すっきり片付いて、いつ人がきてもあわてないですむ家が理想です。

 

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今年は「反応しない練習」を

新しい年を迎えるたびに、新しいことを始めたいと思います。

しかし、現状の私の毎日はほぼ手一杯。

雑誌のライターとして毎週、毎月、毎年巡ってくる締切をこなし、週3回の日本語学校での授業。週4回のスポーツクラブのスタジオレッスン。要介護状態の両親がいる実家は飛行機で1時間、新幹線で3時間の距離。息抜きのため年数回は旅に出ます。

 

50代も半ばを過ぎ、還暦が近づいているというのに、なんというあわただしさ。

私の読みでは、本業の雑誌ライター業はそのうちなくなるはずでした。

たしかに媒体数は減りましたが残っているものもけっこうあります。占いというコンテンツは女性誌では根強い人気がありますから、延々と続きます。一方、専門誌の翻訳連載も気づけば四半世紀以上続いています。ニッチで専門化されたジャンルもしぶとく続くのでしょう。

 

新しいことを始めるどころか、いつも何かに追い立てられていようで、オーダーをこなすだけで精一杯。心のゆとりがありません。

世間はお正月ムードでも、外国人相手の日本語学校はあまり休みません。お正月は年が変わるだけで、平日と同じという国から来た学生も多いのです。

 

昨年は物理的な忙しさだけでなく、精神的にも大いに消耗しました。

学生が休むと「私の授業がおもしろくないから」と落ち込みますし、同僚のベテラン日本語教師からの一言にも敏感に反応していました。

 

私の教えている作文のクラスは学生のレベルが千差万別で、ひらがなを練習している学生もいれば、日本人顔負けの文章を書く学生もいます。

全体的なテーマを決めることがありますが、基本はそれぞれがレベルに応じて日本語で自己表現をするクラスと位置付けています。

 

ハマる学生には大いにハマります。テーマがどんどんマニアックになっていきますが、それこそが文章を書くおもしろさだと私は思います。

「作文を教えていると学生とすぐ仲良くなれるのね」と言われたことがあります。学生それぞれの個人的背景が見えてくるから距離がぐっと近くなるのですが、もしかしたらオタクと腐女子の機嫌をとっているだけのチャラいクラスと思われているのではないかと動揺しました。

 

「作文のクラスって自習みたい」と言う先生もいました。

教師が突っ立っているだけの手抜きの授業と思われているのかもしれません。でも私はみんなが一斉に何かをするという授業を受けるのも苦手だし、教師としてそんな授業をするのも気が進みません。

 

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さらにある時は「筆談ができるようになっても意味がない」と言われました。みんながみんな会話がペラペラになりたいと思っていないのでは。好きな漫画やアニメの字幕の意味がわかるだけで満足という学生もいます。

 

経験の浅い私がベテランの先生に反論することはありません。でも心の中にはさまざまな思いが渦巻きます。多くの場合、言ったほうは特に深い意味もないのに、私が敏感に反応しすぎて勝手に消耗しているのだと思います。

 

この本が参考になりました。

 

 

ブッダは、ふつうの人なら腹を立てるようなことを言われても「無反応」で返しました。

<中略>

仏教における勝利とは、相手に勝つことではなりません。「相手に反応して心を失わない」ことを意味するのです。

 

日本語教師になる前は、田町の仏教伝道協会で開催されるケネス田中先生の「英語で学ぶ仏教講座」に通っていました。

 

人生は苦しみだらけ。しかし、苦しみは消滅する。それは相手を変えようとするのではなく、自分を変えるしかない。

生きていれば雑多なことを耳にしますが、いちいち反応しない。もういい年なんだから、多少鈍感でも世の中から許されるでしょう。

若さが尊重される社会では、年を取ることは不幸だと感じがちですが、反応しなくなるという点では年寄りが有利です。

 

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