翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

さまざまな縁がつながり、坐禅を始める

坐禅の初回、師がこんな言葉をかけてくださいました。
「あなたがこの場に来られたのは、宝くじに当たるようなもので、先祖からの加護を始めとしたさまざまなご縁によるものです」

先祖のことはよくわからないのですが、現世での縁が次々とつながったからこそ、この場にいるのだと強く感じました。

もともと西洋かぶれの私は、欧米のスピ系の人がmeditationをとても重視することを知り、興味を持ったのです。
日本初の語りおろし本の原稿を書いたアラン・コーエンも瞑想を毎日の日課としています。ライターになって、アラン・コーエンを取材して一冊の本を書いたというのも、さまざまなご縁の集大成です。

そして、昭和の易聖・加藤大岳校訂の「易占の神秘」(紀元書房)に、「易を立てるときには気力を丹田に集中すべし」とあり、占い理論を学ぶだけでなく、瞑想や呼吸法の必要性を感じていました。

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さらに、ヴィッパサナー瞑想を学んでいる人からこんな話を聞きました。
「瞑想をすることで、自分の心身にとって本当に必要なものがわかってくる。
だから無駄に食べることはなく、少食で済む。アルコールも飲まなくて済む。
睡眠も、ちゃんと眠れば4時間ぐらいで十分。ヴィッパサナー瞑想の合宿では夜中に寝て朝早く起きる」

常にダイエットを意識し、太ることを気に病み、お酒を飲みすぎては後悔を繰り返している私は、大いに心が動かされました。
この人が瞑想を学んでいる師は、スリランカ上座仏教長老のアルボムッレ・スマナサーラ師。昨年の9月に仏教伝導協会でのシンポジウムでお話をうかがいました。だからこそ、ヴィッパサナー瞑想の体験談が心に染みたのです。

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坐禅を始めることになった、最後のひと押し、そして最も重要な存在が、天海玉紀先生。
スマナサーラ師のシンポジウムにご一緒したのも、玉紀先生が坐禅をなさっているからでした。
「そうだ、玉紀先生に聞いてみよう」となり、同じところに通わせていただくことになったのです。

すべてのピースがはまって一つの絵が完成したような流れです。
2年ほど前に呼吸法について原稿を書くことがあり、白隠禅師の本を資料として読み込んだことがあります。私が始めたのは臨済禅で、師の口から「白隠禅師」の名が出て、びっくりしましたが、これもパズルの一つなんでしょう。

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25分座って5分休憩を4回、合計2時間ほど座りました。
呼吸に集中するはずが、頭の中は雑念だらけ。
前日に見た小津映画の俳優の名前が思い出せず、「家に帰って調べればいいんだから、今は考えないでおこう」と思うのですが、呼吸を数えながらも「ほら、なんて名前だったっけ、ここまで出かかっているのだけど…」とまた考え始めてしまいます。そして呼吸は「一つ」「二つ」…と10まで数えたら、再び「一つ」に戻るのに、気がついたら20を超えていたりします。

それでも「今、私は雑念に囚われている」と意識することがスタートです。続けていくうちに、少しでも雑念が消える瞬間が訪れることを期待しています。


ヘルシンキのカンピ礼拝堂。森の国フィンランドらしく、ドーム状になった木造建築です。ミサなどが行われることなく、静寂の中で好きなだけ座り、心を落ち着かせることができます。仏教徒も歓迎してくれました。