先週の金曜日の冬至には、年筮講座をやり、翌日の土曜日には天海玉紀先生のインナーチャイルド講座。
前日の講師が受講者で、受講者が講師にとぐるぐる回る展開。
それにしてもインナーチャイルドカードはおもしろい。易とはまた違った視点でこれからの一年の流れを見せつけられ、着地点は同じでした。
占い界には「東洋と西洋の占術を混ぜてはいけない」という人もいます。
最初に易を習った先生が「同じ占的で易とタロットをやってみたら、異なるルートから同じメッセージが伝わってくる」というお考えでした。
だから私も東洋と西洋で分けずに、おもしろそうなものには片っ端から飛びついてきました。本業の占いライター業でも、編集者はいちいち東洋と西洋と分けずに「占い原稿だったら」と依頼してきます。
占いは100%的中するものではありません。そう信じて鑑定料を払うお客さんには悪いのですが、占い師に見えるのはほんの一部分です。
だったら占いはインチキかというと、そうとも言い切れません。
コリン・ファース主演の『マジック・イン・ムーンライト』にこんなシーンがありました。
現実主義者のスタンリーは、霊媒師のソフィがインチキであることを暴こうとします。舞台は1920年代のフランス。死者の霊を呼び出す交霊会が盛んに行われた時代です。
ところが、ソフィにどんどん魅かれてしまうスタンリー。「こんなはずじゃなかった」と戸惑うスタンリーにヴァネッサおばさんはこう言います。
私たちは何も知らないちっぽけな存在。金魚鉢の金魚は、誰が水を替えるかなんて知らない。
そう、金魚鉢の金魚はいつ餌にありつけるかも飼い主次第です。
でも、金魚鉢の外を見ることができる特別な視野を持った金魚なら、飼い主が餌を与えたり、水を替える周期を予測できます。
どんなに空腹になっても、次にいつ餌がもらえるかがわかれば空腹に耐えやすくなります。しかし、特別な金魚もすべてが見通せるわけではありません。
そういう限界を知った上で、易やカードで自分の未来のヒントを得ようとするのは、なかなかいい方法だと思います。何より楽しいし。
インナーチャイルドカードはぱっと見たときの楽しさが勝負。私が日本語教師になったのは、インナーチャイルドカードのおかげです。
学生たちのゴッドマザー(名付け親)になりたい。
最近は学生の名前を漢字にしています。ドイツ人のセリナは瀬里奈、デンマーク人のジャルテは蛇流手と暴走族の「世露死苦」風に。「先生、私の名前も漢字にして」と言ってくる学生がマクシミリアンとかベアトリスとか長い名前だとちょっと困ってしまいます。
エデンという名の女の子は「エデンの園」のエデンだと言います。「天国」と書いて「エデン」。そしてビクトリアは「勝利女」と、キラキラネームも顔負けの名づけです。
そんな私が2018年の年運で引いたカードはピーターパン!
いいぞ、行け行け! 日本オタクの学生たちを空を飛ぶ船に乗せて出航。
妖精のゴッドマザーに続いて最高のカードが出たと舞い上がりました。
2枚目は眠れる森の美女。ますますいい! 「アニメや漫画で日本が好きになって日本語の勉強を始めたけど、超めんどくさい。学校なんてさぼって秋葉原に行こう」という眠れる学生を起こして、日本語で自分を表現する楽しさを伝えたい。
しかし、3枚目に引き当てた克服すべき課題はクリスタルのエース。地べたをコツコツ掘る小人には本当にがっかりしました。
玉紀先生には「クリスタルのエースが出て嫌な顔をする人は初めて」とおっしゃいますが、いやー、もうそんな地道なことはやりたくないんです。「こんな重たいもの船に乗せたら、空を飛べない!」と叫んでいました。
しかし、コツコツ地道といえば、冬至に出た「地山謙(ちさんけん)」の初爻そのもの。高い山が低い地の下に入り、ひたすら頭を下げています。
「日本オタクの外国人学生にちゃらちゃら日本語を教える」というのが私の夢ですが、文法の基本も踏まえつつ、職員室では先達の先生たちを立てなくてはいけないと改めて自分を戒めました。