翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

占い師は下から三番目の仕事

占い師の呼称は「先生」ですから、占いの勉強もろくすっぽしたことがなく、口からでまかせをしゃべっているだけの占い師であっても、鑑定の場に立てば「○○先生」と呼ばれます。

「先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし」という川柳もありますが、占い業界の慣習でもあるし、仲間内でも「先生、先生」と呼び合っています。

それでもやはり、「先生」と呼ばれることの違和感を忘れてはだめだと思います。

雑誌のお仕事でよくお世話になる小野十傳先生がこんなことを書いています。

占い師とはそれほど自慢できる職業じゃないことを頭に納めておかなくてはいけない。

そして、師匠の言葉が紹介されています。

「占い師は下から三番目の仕事」。
最低な職業は泥棒。人のものを盗んでお金を得るから。
次は乞食。座って人からお金を恵まれるから。
占い師はデタラメをしゃべってお金をもらうから、三番目に最悪な職業。

デタラメというのは言い過ぎで、ちゃんと占術理論を勉強していると反論したくなりますが、医師や弁護士のように試験に合格して資格を得ているわけではありません。

私の本業は原稿を書くことですが、出版不況が続くと将来はどうなるかわかりません。
もしかしたら占い鑑定が本業になるのかもしれないと思いつつ、できるだけライターの仕事も続けていきたと考えています。

編集者と打ち合わせして取材に行き、インタビューする。ページ数に応じた長さに調整しながら原稿を書く。書いた量、あるいは本が売れた分に応じて原稿料をいただく。
同じお金でも、ライターとして得た収入と、占い鑑定の収入は私にとって別のものに感じられます。
そして、鑑定収入がメインになってしまうと、勘違いしてしまうのではないかという懸念があります。

小野十傳先生はそのあたりの気持ちをこう書いています。

満員電車に揺られ、上司や得意先にぺこぺこと頭を下げ、十円でも安いランチを食べ、付き合いでお酒を飲み、終電で帰宅する。そして生きていくのがやっとというほどの給料の中からローンで車や家を購入する。これが真面目な生き方なのです。これが本当の立派で偉い人間なのです。
たとえ占い師になっても、このことを忘れないでおいてください。