翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

ディランも神、バースも神

シカゴからの旅行者、マイケル。
カウチサーフィンを通した出会いですが、自宅でのホストではなく、築地と銀座で3時間ほど過ごしました。
とても密度が濃く、忘れない体験となりました。

アメリカ人やイギリス人、アイルランド人など英語のネイティブスピーカーと会うのは、こちらの英語力に難があるので、なるべく共通の話題を先に調べておくようにします。
マイケルとは、数通のメールを交わしておいたので、だいたい何を話すかをイメージしておきました。

シカゴの高校や大学で数学を教えていたマイケルは、かなりリベラルな思想の持ち主です。
待ち合わせ場所が築地市場の波除神社だったので、さっそく日本人の宗教の話題になりました。

たまたま先月の仏教英語講座のテーマが「宗教間の対話」で浄土宗僧侶の松濤弘道師のこんな発言を学びました。

As a Buddhist, I learn a lot from other religions, and I fully respect them from the bottom of my heart.
I believe that the differences of religious creeds or teachings are not all that important.
What matters most is following the path of being who and what you are.
What matters is being compassionate and not clinging to the idea that we alone know the truth and are superior to others.
仏教徒として、私は他の宗教からたくさんのことを学んでいますし、心の底から尊敬しています。
私は宗教的な教義や教えの違いはそれほど重要ではないと信じています。
一番大切なのは、私たち自身が何者であるかを踏まえて道を進んでいくことです。
思いやりを持ち、私たち(仏教徒)だけが真理を知っていて他の宗教よりも優れているという考えに執着しないことです。

日本人に生まれて楽なことは、宗教の違いに寛容なことです。
お宮参りは神道、結婚式はキリスト教、葬式は仏教と、使い分けても批判されません。

マイケルにそんな話をすると、「それはすばらしいね。宗教が違うから対立するなんて、愚かなことだよ」と感心されました。「アメリカの公立学校でキリスト教の祈りを強制しようとする頭の固い連中に聞かせてやりたいよ」
いまだに進化論を否定するバイブルベルトのアメリカ人とは、こんな会話はできません。

神道では、あらゆるものに神が宿り、その数はエイト・ミリオン(八百万の神)」と続けると、
「なるほど、だからボブ・ディランも日本では神なんだね」とマイケル。

そう、マイケルへのメールに、「ボブ・ディランは日本では『フォークの神様』と呼ばれている」と書いたのでした。
マイケルがボブ・ディランと同い年ということもあり、ディラン先生の存在によって、いかに私の目が日本の外に開かれていったかを伝えたのです。

神になったアメリカ人はボブ・ディランだけではありません。
阪神タイガースランディ・バースは「神様、仏様、バース様」と虎ファンに信仰されました。
この話をすると、シカゴ・カブスのファンのマイケルには大いに受けました(日本では、タイガースといえば、デトロイトじゃなくて阪神、と念を押しておきましたが)。

「そういえば、フクドメのことはよく覚えているよ」とマイケル。
福留も今や虎戦士。
一方、鳴物入りでカブス入りした藤川球児は、期待外れの結果に。
「故障だからしかたないよ」とマイケルは寛大です。
現在タイガースで大活躍中、「まいどおおきに」のマット・マートンシカゴ・カブスに在籍していました。阪神はけっこうカブスと縁があるものです。

「次はシカゴで、ぜひカブスの試合を観戦しよう」と誘われました。
フィンランドで手一杯で、シカゴに行くことはないと思いますが、こう言ってくれる人がシカゴにいると思うだけで、毎日のタイガース応援も楽しくなりました。



波除神社のおみくじは、日本語・中国語・英語・韓国語の4ヶ国語で書かれています。