9月6日の朝日新聞オピニオン欄のテーマは、「お客様は神様か」。
航空会社スカイマークのサービス方針(荷物は自分で収納、客室乗務員は保安要員であり接客は補助的なもの、機内での苦情は受け付けない)を巡る三人の意見が掲載されていました。
そのうちの一人が、故三波春夫氏の長女、三波美夕紀さん。
「お客様は神様です」という言葉が、真意とはまったく違う形で理解されているので困っているそうです。
三波春夫氏は、新潟の小さな村に生まれ、あぜ道で一日中歌っているような歌好きの子供でした。
家業(本屋)がつぶれて上京、住み込み奉公をした後、日本浪曲学校で学びました。
浪曲師として全国を巡業で歩くわけですが、お客様は耳が肥えている。気の荒い漁師街だと、芸がまずいとベテランでも勝手に幕を引かれてしまうことがあります。
舞台はまさに真剣勝負。浪曲は多くの役柄を瞬時に演じ分けるため、雑念があると的確に表現できません。「まるで神前に立った時のように、澄み切った心でないと完璧な歌はうたえない」と話していました。
つまりお客様イコール神様ではない。「お客様を神様のように見立て、雑念を払って歌う」という舞台人としての強いプロ意識を表したのがあの言葉だったのです。
<中略>
もし、父がいまスカイマーク社の文章を眼にしたとしたら、きっと「こんなことまで書かないといけない世の中になってしまったんだね」って嘆くと思います。すぐ怒鳴ったり、キレたり。そんな方々を、駅でもお店でもよく見かけるようになりましたから。「お客様は神様だろ」なんて使われているとしたら、とても残念です。
だいたい、「お客様は神様だから、最大限にサービスしろ」と要求するのは、神様を誤解しています。
日本の神様は寛大だから、下々の人間に至らないところがあっても許してくれるはずです。
店員さんが無愛想だったら、プライベートで悩みを抱えているのかもしれません。あるいは、その会社がブラック企業で、とんでもない労働環境でこき使われているのかもしれません。
そんなつらい状況で働いている人が、多少のミスをしたら、「大変だろうけど、がんばってね」といたわりの気持ちで接するのが、神様ではないでしょうか。
占い師の視点で考えると、店員さんや駅員さんなど日常生活で出会う人とどのように接するかは、運気のバロメーターです。
邪険な扱いをされたのは、こちらがマイナスのオーラを出しているからかもしれませんし、自分が高いバイブレーションの状態にあるなら、ささいなことで腹を立てたりしないはずです。支払った金額以上の過剰なサービスを求めたり、クレームをつける人は、運気が低迷しています。
今日の買い物、外食、移動では、どんなことがありましたか?
気持ちよくサービスを受けたなら、あなたの運気は好調です。