翡翠輝子の招福日記

本業は女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)。副業で外国人に日本語を教えています。フィンランドが大好き。

「選択の科学」に登場する占い師

占い師の理想像の一つに、シーナ・アイエンガー教授の「選択の科学」に登場するS・K・ジェイン師です。

アイエンガー教授がジェイン師に質問したのは、執筆中の本についてでした。
自信と慈愛に満ちた声で、答えは告げられました。
「マダム、その本はあなたの期待をはるかにしのぐ出来になるでしょう」

まったく、その通りです。
「選択の科学」は、知恵に満ちた名著です。ビジネスパーソンだけでなく、占い師にとっても、とても役に立ちます。

前回のDIARYでアイエンガー教授が自らの結婚について語る「愛は選択ではなく、運命の問題」という言葉を紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20120805/1344094007

アイエンガー教授の両親は、結婚式当日までお互いの顔を知りませんでした。シーク教徒は、誰と結婚するか、何を着るか、何を食べるか、あらゆることがあらかじめ決められているのです。そうした家庭に育ったからこそ、アイエンガー教授は「選択」を研究テーマに選んだのです。

そして、アイエンガー教授はそうした伝統から自由になり、恋愛結婚をしたのですが、お相手もインド系の男性でしたから、二人の意思だけでは結婚できませんでした。

夫とわたしが結婚を決意したとき、両家は手放しで喜んだわけではなかった。南インドバラモン(最高位)のカーストに属するアイエンガー家の一員であるかれは、当然アイエンガーの家の者と結婚するものと思われていた。わたしはアイエンガー家の一員ではないばかりか、信仰さえちがった。両家の親戚に言わせれば、この縁談は不釣合いで、失敗を宿命づけられていた。まもなくわたしの義理の母になろうとしていた人は、信頼する占星術師のもとに急いだ。ところが、彼女が部屋に足を踏み入れたとたん、まだ質問さえ口にしていないのに、占星術師はこう告げたのだ。
「二人は七回前の前世から夫婦で、七回後の来世まで夫婦でいるでしょう」
そうと決まれば、今世では、もう正式に結婚するしかなかった。このようにしてわたしたちは結婚した。もちろん、アイエンガー家の伝統的なしきたりに則った結婚式を挙げて。

シーナ・アイエンガー 櫻井祐子訳「選択の科学」文藝春秋

ジェイン師や、アイエンガー夫妻を結婚に導いた占星術師を目指し、占い修業の日々は続きます。

※写真は2010年にインドを旅行した時に撮影したものです。宿泊していたバナラシのホテルで結婚式があり、見物に行ったら宴席に招き入れられました。出席者は花嫁花婿と次々と写真撮影。通りすがりの人も招く風習らしく、ジーンズ姿の人もいます。私も記念写真に収まりました。


選択の科学

選択の科学

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