早春の三浦半島へ行ってきました。
東京からは日帰りできる距離ですが、宿泊してゆっくり過ごすのが好きです。
今回はホテル京急油壷観潮荘に宿泊。「観潮荘」という名の通り、窓から海が見渡せます。昭和の香りがする古い宿ですが、それも一興です。
お風呂は温泉ではないけれど、海水を沸かした露天風呂では、海のミネラル分が体に入ってくるようで気持ちよくなります。もちろん露天風呂からも海が見えます。
観潮荘に泊まると、油壷マリンパークの入場券がもらえます。
開園50周年を迎える古い水族館で、目を引くような巨大展示物はありませんが、イルカとアシカのショーは工夫を凝らした内容だし、いつも楽しくなれる場所です。
ペンギンの餌付け。
生のししゃもを与えています。
近寄ってきたのは子供の二匹だけ。大人のペンギンたちはうしろの屋根のある場所にじっとして動きません。
あとで餌がもらえるのがわかっているからわざわざ食べに来ないのと、繁殖期前のため、カップルで巣を守っているためだと説明されました。
油壷マリンパークにいるのは、イワトビペンギン。調べてみると、オスが小石を積み上げて簡単な巣を作る習性があり、多くの小石を集められるオスほどメスからモテるそうです。甲斐性のある男ってことでしょうか。そして、鳥の中ではカップルの絆が強いほうで6割近くが2年続けて同一のカップルとなるそうです。
巣といっても、二匹のペンギンが並んで立ったらいっぱいになりそうな狭いスペースです。
そして、守るって、いったい何から? ここは外敵のいない水族館なのに。
そう考えるのは、私が人間だから。当のペンギンたちは自分たちの置かれている状況を客観視できず、本能に従って行動しているだけでしょう。
巣を守るためにじっと立ち尽くしている大人のペンギンたちを見て、人間だって似たようなものだと思いました。
安心できる場所、自分が認められる場所、すなわち居場所がほしい。
その欲求を満たすために何十年も生きてきたような気がします。
学校では、そこそこの成績を取らないと居心地が悪いし、親もがっかりするから、好きでもない勉強もしました。
働き始めても、同じこと。役に立つ人材じゃないと居場所がないように感じていました。
神の視点から見ると、居場所を守るためにくだらない努力をしているだけかもしれません。
50代半ばを過ぎ、還暦まで2年を切りました。
60代になっても多少は働くでしょうが、これまでのように居場所を確保するためにがむしゃらに働くようなことはないと思います。
居場所のない生活とはどんなものになるのか、今のところは見当がつきません。もしかしたら新たな居場所を求めてさまようことになるかもしれませんが、とりあえずは自由に時間を使えることを楽しもうと思います。