翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

支出を最適化して旅に出る

10月はほとんど自宅に落ち着いていませんでした。月初めはスペインにいて、それから島根と京都、神戸に。11月はJALの「どこかにマイル」で北海道がよく出るので、雪が積もるまえに、初冬の北海道を満喫してくる予定です。

 

頻繁に旅に出ていると交通費と宿泊費がかさみますが、私の場合は生きるための必要経費と割り切っています。

 

アメリカ株投資について大いに参考になる三菱サラリーマンさん。先月、ついにセミリタイアを果たされたそうです。三菱サラリーマンさんから教わったことは、個別の銘柄ではなく「ぶれない姿勢」です。誰しもうらやむ一流企業を30歳にして退社するのは世間一般からすればもったいないことでしょうが、幸せの形は人それぞれ。万人が共通に求めるものはありません。

 

三菱サラリーマンさんは節約という言葉の代わりに「支出の最適化」を提唱しています。 

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私が取材する有名風水師も、「節約」「倹約」という言葉を文章の中に入れるのを嫌います。「何も考えずにお金を使え」というのではなく、出すべきところは気持ちよく出して、スムーズにお金を回してこそ金運が上がるという考えからです。

 

かといって考えもなく散財して社会の厄介者にはなりたくありません。

旅行は散財の最たるものというイメージがありますが、できるだけ多く旅行するために支出の最適化を図っています。

 

三菱サラリーマンさんは「自分の価値観や夢・目標に照らし合わせて、金銭に関わる経済行動に対して適切に取捨選択をする」と定義している通り、万人共通の「支出の最適化」はありません。「一生に一度、1000万円の豪華客船でクルーズを楽しみたい」という人もいれば、私のように「1000万円を一度に使うのではなく、一回数万円から十数万円で100回以上、旅に出たい」というタイプもいます。あるいは、旅なんて興味がなくて、日常生活の質を上げるために食材や家具にお金を使うという人もいるでしょう。

 

支出の最適化と断捨離のために、食品や洗剤などの消耗品以外は買い物断食を続けています(それほど厳密ではなく、時々、チートデイを設けています)。若い時と体形は変わりましたが体重は同じなので、太って着られなくなることはありません。体重が危険水域に達したら、お金をかけて専門施設やヨガ教室で断食をしますが、これこそ支出の最適化だと思っています。

 

国内旅行はもっぱらJALの「どこかにマイル」。宿泊は共立メンテナンスのドーミインが最高。設備のいいサウナは男性専用が多いのですが、ドーミーインなら女性サウナと水風呂を完備しています。

海外旅行はマイルを貯めるためにJALを選び、なるべく早めに予約して最安値のエコノミー席で少しでも快適な席を選ぶようにしています。体重を増やさず週4日のズンバで柔軟性を保っていれば狭い席も苦になりません。そして、観光客が詰めかける有名スポットは敬遠し、おみやげを買わないので旅先ではあまりお金を使いません。

 

「そんな旅のどこが楽しいのか」と疑問に思われるかもしれませんが、それこそ個人の価値観の違いです。知らない土地の飲み屋で常連客とお酒を飲み交わしたり、地元の人も利用する温泉でお国訛りの会話に耳を傾ければ、世界の広さが実感できます。

 

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しょっちゅう飛行機に乗るのでJALグローバルクラブのメンバーになっています。JALだけでなく提携している航空会社の空港ラウンジでフリードリンクとフードが楽しめます。先月のスペイン行きはヘルシンキでトランジット。フィンランドの秋空を見上げつつマリメッコカップでお茶を飲みました。

 

40年越しの夢がかなう

神戸の易講座の前日は京都にいました。

4年前、我が家にホームステイしたフィンランド人のヘンリク君が再々来日、京都工芸大学で学んでいるからです。

勤務していた日本語学校の学生を5人受け入れましたが、化学反応が生じて縁が生まれたのはヘンリク君だけです。彼のおかげで私の人生は大きく展開しました。

 

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京都工芸繊維大学と聞くとなんだか古いイメージですが、英語ではKyoto Institute of Techonology(KIT)。国立の工科系単科大学で、ヘンリク君は情報工学を専攻しています。

 

ヘンリク君の案内でキャンパスツアー。校内はきれいで落ち着いています。交換留学先は東京の大学が第一志望だったそうですが、落ち着いて勉強できるし京都で半年間大学生活を送るなんて貴重な体験です。

 

KITは国際交流にも力を入れているようで、留学生専用の寮も用意されています。ドイツ人、イタリア人、韓国人が多く、北欧出身はヘンリク君だけ。個室に一口コンロのキッチンが付いているいるけれど、寮生が集まってご飯を作って食べることもあり、イタリア人が作る本場のパスタが一番人気だそうです。

来日してから1か月。休日は留学生仲間と嵐山や鞍馬に出かけ、秋祭りも堪能。課外活動ではサッカー部に所属し、日本人学生とも交流しています。

 

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JR京都駅で遅めのランチ。勉強に差し障るかと思ったのですが、ヘンリク君の提案でビールで乾杯しました。4年前、初めて会った時、彼は18歳で少年らしさもありましたが、今ではすっかり大人に。それもそのはず、高校卒業と同時にフィンランド人男子の義務である兵役もこなしたのですから。年齢にこだわらずフラットな人間関係を構築するフィンランド人ですから、今では完全に友達同士になりました。

 

ヘンリク君のお母さんは教育熱心で、最初の来日前のメールのやりとりがやけに優等生ぽいと思ったら、アメリカ系の企業に勤めるお母さんの添削済みでした。

フィンランドの教育は日本でも評判です」と話を振ると「落ちこぼれを出さないという点で優れているだけで、個々の学生の能力を伸ばす点では劣っています」と辛口コメント。「フィンランドは小さな国だから、グローバルなキャリアが必要」とヘンリク君を日本に送り出しました。教育熱心で息子べったりなのかと思っていたら、ヘンリク君が大学に入学した時点で家族の解散を宣言し、自宅の近くの大学に入ったのに家を出されたそうです。なんと見事な子供離れ。今回の留学でも年末年始の休暇はフィンランドに帰省しないよう言われているそうです。

 

かつて洋楽ばかり聞いていた田舎の高校生だった私は外国人と交流しようにも手段がありませんでした。過去の私に「40年後、フィンランドの素敵な男の子と友達になれる」と告げても「そんなおばあさんになってからじゃ、意味がない!」と一蹴されそうです。でも、実際にこの年になって若い友達ができるのはしみじみといいものだと実感しています。

それぞれの物語を作ろう 神戸元町で易講座

夏瀬杏子さんのおかげで、神戸元町で易講座を開くことができました。

実家が神戸なので定期的に帰省していますが、いつも義務感だけで淡々と移動しています。その神戸でこういう機会に恵まれるとは! 

 

地元神戸を始め、京都、奈良、三田と関西全域から参加者の方々が集まりました。天海玉紀さんも交流会から参加してくださり、一気ににぎやかになりました。

 

東京での易講座に参加された方もいらしたのですが、復習ということで易の初歩から始め、後半はそれぞれ占的に応じて易を立ててみました。

 

易は占術の中でもとっつきにくく、あまり人気がありませんが、じっくりと取り組めばこれほどおもしろいものはありません。

陰陽を6回重ねてできる六十四卦と6つのの組み合わせ。そこからオリジナルの物語を組み立てていくのです。「卦の名前を覚えるのが大変」とよく言われますが、初心者のうちは本を見ながら解釈すればすむことだし、記憶力よりストーリーテラーとしての創造力が問われます。

 

今回の講座でも多彩な背景を持った方々が、それぞれの物語を作りました。

杏子さん、玉紀さん、私にとっても東京から神戸に遠征し、占いという共通言語で話し合える人々とご縁ができたことは、胸躍る物語です。

そもそも私が玉紀さんと出会い、そこから杏子さんにつながっていったのも、占いのおかげ。

 

占術理論を学ぶことも大切ですが、実際に動いて人と交流することも「運気は自力で動かすことができるダイナミックなもの」と実感できる貴重な機会です。

 

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老舗ベーカリー「フロインドリーブ」のカフェ。教会の礼拝堂を改装した空間でサンドイッチやケーキを食べるのも帰省の楽しみの一つです。

死者を偲ぶ旅

3年ぶりに島根へ。

 

親友の優春翠の故郷に毎年のように通っていたのですが、日本語教師の仕事に忙殺され間があいてしまいました。

 

今回は煌羅カンナも島根に来ました。彼女とはスポーツクラブ仲間のご近所さん。本業がシナリオライターで副業が占いというのが私と似ています。

6月の友永ヨーガ学院の断食でばったり会いました。4年前に私の体験談を聞いて参加を決めたそうです。まさか知り合いが来ているとは思わず、びっくりしました。

 

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断食は自ら望んで申し込むものの、空腹がつらくて「こんなこと、始めなければよかった」といつも後悔します。この会は、煌羅カンナが一緒だったから気がまぎれました。

 

共通の友人で急逝したTさんの話になりました。占いイベントのコーディネイターで、もともとは優春翠の友人です。煌羅カンナにも声をかけたところ、Tさんと意気投合。二人はかなり親しくなり多くの占いイベントをこなしたそうです。

 

Tさんが急逝したのを知らせてくれたのも煌羅カンナです。彼女はTさんの思い出話をしたいようでしたが、残念ながら私は二度お目にかかっただけです。それなら、島根に一緒に行って優春翠と話してみたら、ということで島根の旅が実現しました。

 

私は一日前に到着しドーミーイン出雲でサウナと水風呂を満喫。翌日の午前中に出雲大社にお参りし、午後、大田市に3人が集まりました。宿泊は三瓶山の温泉です。

 

優春翠と煌羅カンナは初対面でしたが、Tさんの思い出話で盛り上がり、気が付いたら午前1時半。Tさんはとても個性的な人で、死後もこうして話題の中心となるのです。

 

「死者は、生きている人に語られると目をさます」と、メーテルリンクの『青い鳥』にあります。

   

おばあさん わたしたちはいつでも、ここにいて、生きてる人たちがちょっとでも会いにきてくれるのを待ってるんだよ。でも、みんなほんのたまにしかきてくれないからね。お前たちが最後にきたのは、あれはいつだったかね? ああ、あれば万聖節のときだったね。あのときはお寺の鐘が鳴って……。
チルチル  万聖節のとき? ぼくたちあの日は出かけなかったよ。だって、ひどい風邪で寝ていたんだもの。
おばあさん でも、お前たちあの日わたしたちのことを思い出したろう?
チルチル  ええ。
おばあさん そらごらん。わたしたちのことを思い出してくれるだけでいいのだよ。そうすれば、いつでもわたしたちは目がさめて、お前たちに会うことができるのだよ。
<中略>
チルチル  おじいさんたちいつでも眠ってるの?
おじいさん そうだよ。随分よく眠るよ。そして生きてる人たちが思い出してくれて、目がさめるのを待ってるんだよ。生涯をおえて眠るということはよいことだよ。だが、ときどき目がさめるのもなかなか楽しみなものだがね。

(「青い鳥」メーテルリンク 堀口大學・訳 新潮文庫

 

Tさんが亡くなって3年になろうというのに、Tさんがすぐそばにいたかのように感じた旅でした。

 

長寿はおめでたいこととされていますが、親しい人に次々と先立たれ、死後、自分を語ってくれる人が誰もいないのはちょっとさびしいかも。目をさますことなく永遠に眠るわけですから。

私は長寿の家系に生まれたため、長生きしすぎるリスクをいつも考えています。日本が超高齢化すると、生産性もなく延々と年金をもらい続ける高齢者は若い世代から邪魔者扱いされるでしょう。

 

今年から終活を始め、生前契約の手続きを進めているところです。

死者を語ることで、残された人生をどう生きるかにも思いを馳せた旅でした。

  

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 翌朝、宿の窓から三瓶山の雲海が見えました。

天の声は、誰かを通してもたらされる

カウチサーフィンは外国人の旅人を自宅に泊めたり、海外旅行先で泊まったりだけでなく、会うだけの交流もあります。

いきなり宿泊はハードルが高かったので、始めた当初は会うだけにしていました。

第一号はイギリス人紳士のマイク。7年前のことです。

 

ラグビーのワールドカップアイルランドを破ったところでお祝いメールが届き、台風のお見舞いメールが届きました。イギリスでも大々的に報じられているのでしょう。

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当時は、対人鑑定もやっていて、そのうち英語で鑑定をしたいなんて思いっていました。その後、鑑定自体をやめたのでこの野望は果たされていません。

 

マイクは 60代手前で、長年勤めた企業を退職したばかりでした。東京だけでなく、関西や九州も回って帰国しました。

 

家族がいるのになぜマイクだけで日本に来たか。

「勤めていた会社が日本と取引もあり、退職後の株式投資先として日本を考えていた。東日本大震災が起こって日本がどうなるか心配になり、自分の目で見たかったから」

イギリスにだってよさそうな投資先があるだろうに、為替リスクもある日本に投資するなんて…。しかし、マイクは各地で出会った日本人の親切や礼儀正しさに心を打たれ、「きっと日本は大震災の被害を克服する」と日本企業への投資を始めました。

 

数年後、「投資は大成功してかなりのリターンを得た」というお礼のメールが届きました。たしかに、2012年の日経平均株価は1万円前後ですから、彼の判断は大正解だったのでしょう。イギリス経済はEU離脱で大混乱だろうし。

 

雑誌のマネー記事を書いていたので、ネット証券の口座は開いていました。試しに2銘柄だけ買って放置していたのですが、住宅ローンを完済後、株を買い始めました。

 

私の両親は二人とも株をやっていました。若くて生意気だった私は「お金は額に汗して労働して得るもの」と両親に反発していたのですが、まっとうな仕事に向いていなくてフリーランスのライターに。「ついには株まで手を出すなんて堕落したもんだ」と自嘲しましたが、思い立ったら好きなところに旅する資金は株によって生み出されています。それに銀行に預けたままのお金は動きがありませんが、株を買えばお金がどんどん回っていくイメージです。

 

「本格的に株をやろうか、どうしようか」という迷っていたのを背中を押してくれたのがマイケル。カウチサーフィンは国際交流だけでなく、蓄財のヒントも与えてくれたのです。単に利益を求めるのではなく、わざわざ日本まで来て人々と接し、自分で納得してから投資するマイケルのやり方はすばらしいと思ったのです。

もちろん、私の投資は全戦全勝ではなく、手痛い失敗もありますが、トータルで儲かればそれでいいと割り切っています。日本株で利益を確定し、マイケルにならって、自国の投資に見切りをつけてアメリカ株に軸足を移しつつあります。

 

占いで投資する銘柄を選ぶことはありませんが、金運の器を大きくするために東洋占術の教えはとても役立ちます。

 

天の声を直接聞くことはむずかしく、しばしば人の声として届けられます。家族や友人といった身近な人のこともあるし、見ず知らずの通りすがりの人かもしれません。私の場合は外国人が多いのかも。もちろん、占い師ということもしばしばあります。せっかく声が届けられても自分に受け取る力がなければ、何にもなりません。そのためにいつも気の流れをスムーズにしておくように心がけています。

  

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吉方取りで訪れた御宿の空。メキシコとゆかりのある街です。