翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年8月下旬からスペイン巡礼へ。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。

働かなくても楽しく生きていける?

新聞なんて読むのは高齢者の習慣なんでしょうが、朝起きたらとりあえず活字を読みます。

この記事を読んで完全に目が覚めました。


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2030年以降、大半の仕事が消えて古代ギリシャのような社会へ。

古代ギリシャでは、労働は奴隷がするものであり、市民は政治や数学に熱中したり、哲学していたとか。奴隷の労働がAIやロボットにとってかわられるわけです。

そんな社会では「賃金労働ではなくても社会との接点は作れる」と井上智弘・駒澤大学准教授。

 

働く以外にも素晴らしいことはあるし、生きているだけで貴いという価値観に変えていかないといけないんですよ。AIが人間の仕事にとってかわっていくなら、「役に立たない」と自分を卑下してしまう人間が増えるかもしれない。遊んで暮らすもけっこう、くらいにゆるい社会にならないと、今でも生きづらさを感じている人は多いし、ますますそうなってしまいます。労働以外のことに意味や価値を見いだしている人の生き方も肯定していかないと、立ちゆかなくなります。

 

学校を出てからずっと働き詰めだった私。50代半ばを過ぎても雑誌や本の原稿を書いたり、週の前半は外国人に日本語を教える仕事をしています。 

 

本業の原稿書きは、何十年もやってきたことなのでそれほどプレッシャーはありません。問題は3年前から始めた日本語学校

本社はヨーロッパにあります。学生が国の母親に愚痴ると、母親は現地のセールスオフィスへ。そこからアジア統括本部のシンガポールに送られ、東京へ。世界を一周してきたクレームです。もちろん、直接クレームを受けることもありますし、授業をさぼられたり、登録を取り消されたり。

 

そのたびに、心が折れます。

こんな大変な思いをしながら働かなくてもいいんじゃないかもと思います。

だからこそ、水曜の授業が終わった後、「月曜日まで学校がない!」という解放感とともに銭湯やサウナに寄るのが何よりの楽しみです。いやなことはすべて流して、木金土日は何をしようかと考えます。

 

月火水の勤務がなければ最高の人生じゃないでしょうか。

長期で旅行したり、温泉に長逗留もできます。2030年といわず、早く働かなくてもいい社会になればいいのに。

 

その一方で、私は心の切り替えがうまくできるだろうかと不安にもなります。

 

星新一ショートショート。『明日は休日』。

毎朝、出勤するエヌ氏。会社は苦行の連続で、帰宅してほっとします。

そこでエヌ氏は我に返ります。「働いていた」というのは朝食の皿の端に乗っていた錠剤が作り出した幻覚。

この時代、すべての仕事は機械にとってかわられて、人間の仕事はありません(星新一の未来予見力は本当にすごい)。

でも「何もすることがない」というのは地獄のようなもの。ずっと遊び続けるわけにもいかず、錠剤を飲んで働いているような気分になり、休日を楽しむという話です。

 

私は新しい社会の仕組みになじめず、わざわざ錠剤を飲むタイプでしょう。

だったら、仕事でいやなことがあっても「これはすべて幻覚、錠剤を飲んでいるからだ」とやりすごすことができるかも。そう思って、もう少し仕事を続けてみましょうか。

 

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 ベトナムハノイの猫。私がいつも猫にあこがれるのは、特別なことをしなくても、そこにいるだけで満ち足りているように見えるからです。